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2008.07.27。宇都宮。大谷資料館を体感。一度は行ってみたいと思っていた。かつて喜多郎や山本寛斎のパフォーマンスで知っていた空間。百聞は一見にしかずとはこのこと。盛夏の宇都宮。外気温は30℃を超える。大谷石の地下空間は所詮地下だ。地中温度は15℃が定説。しかし、この地下空間は10℃前後。それだけ深いということか。(資料によると地下30mだった)

午後資料館に到着。入り口駐車場脇にそびえる大谷石の石壁20mほどはあろうか。その上部にきっちりと人間の仕業であることがわかる横穴。何故、あんなところに穴が。その横穴の脇に搬出されずに置きっぱなしの大谷石。洒落のわかる職人がわざと置き忘れたに違いない。

中にはいる。石段を一段おりるごとに温度が下がっていくのがわかる。不思議な感覚。目が暗さになれ始めると異様な空間であることがわかってきた。建築ではない不思議な空間。人間によって造られたという点では同じだが、建築ではない空間。柱も梁もない。ただただ掘り進んでいってできた空間。東京ドームくらいの大きさはあるという。落盤もせず現存している空間に圧倒される。順路に沿って進んでいくと遠くに明かりが見える。真っ暗闇の遠く高いところに光がみえる。その下に石のオブジェ。光が人工的なモノなのか、ただの穴なのか。じっと目をこらしてもわからなかった。デジカメデータをよく見るとかすかに木々が映っているモノもあり、外部に通じているのだとわかった。空間と光。まさに建築的な体験だった。

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●2008.07.22(火)

確認申請の準備をしつつ。風をつかまえるすまい?のスタディ。地球温暖化に向けてのテーマは。自力で生き抜くための建築。化石エネルギーに頼らず。夏も冬もやろうと思えば自力で生きてゆける建築。夏は微風をつかまえ体感温度をさげる工夫を試みたい。

●2008.07.23(水)

今年の初め完成した今年1年目の夏を迎える家人からいろんな声が聞こえてくる。「風が心地よく、扇風機だけで夏を越せそうです」「夜と午前中は良いのですが、無風状態になるとつらいです」「窓を開ければ良いのですが、夜はとても静かで近所に声が筒抜け。エアコンを入れようかと」人それぞれ。自分らしいすまいにそれぞれ染まってゆく。それでよい。

●2008.07.24(木)

週末に確認申請を出し終え、たたき台のプランを持って宇都宮へ。予定通りすすむか。いずれも大詰め。めがねの調子が悪く。いつもの眼鏡屋さんへ。テスト前日、残り時間がないのに部屋の掃除を始めるに似ている。暑い中、軽トラで片道40分。前日セールのチラシが入っていたので手にし入店。1時間以上もかけて気に入っためがねを手にし担当者に渡す。今かけている度数と同じで結構です。レンズも同じで。担当者はパソコンをたたく。昨年秋レンズだけを交換した履歴。レンズ一組18000円。しかし、今回は一組36000円なのだと。「原油高が...」とよくわからない説明に納得いかず撤収。セール品で客を引きつけ普段よりも高いモノを売ろうとする姿勢に辟易。もうあの店には行かない。

●2008.07.25(金)

朝一番。分厚い確認申請書を持って平塚へ。午後建て主候補と初めて会う予定が入っている。なんとしても午前中に戻りたい。平塚で一通りチェックを受ける。不足書類があり、単純ミスもあり出直すことに。午後は予定があるので、週明け勝負と決め込む。車が移動オフィス仕様であれば、さくっと手直ししてすぐに申請できただろう。移動オフィス仕様車をぼんやり考える。

●2008.07.26(土)

朝一一路宇都宮。これから始まるすまい計画の施工パートナー探し。事前に我々と建て主がノミネートしていた業者さんを行脚。失礼を承知で実施見積書を見せてもらう。設計施工を中心にしている施工業者が多い。あまり設計事務所の仕事が多くないのだろうか。単価はばらばら。『高くてもうちに頼んでくれる人がいるからこれでいいんだ』『一生懸命努力します』『新建材を使っています!』見積書ひとつからいろんな顔が見えてくる。4社お会いしたが、決め手がない。中でも一番ポイントを稼いだまじめに努力している業者さんをパートナーとし、最後は合い見積もりで決定する条件を飲んでくれるのであれば是非とお願いしてみようと方針決定。

●2008.07.27(日)

午前中。その旨を伝えに施工業者を再訪。お互いの考え方を協議。合意にいたる。がっちりタッグを組み、おつきあいするうちに姿勢がはっきり見えてくれば合い見積もりの必要は無くなるかもしれない。前日。「是非、大谷石を使ってみたい」と私。「一般的なルートで使おうとするとやはり高いモノにつきますね。しかし、切り出されて置き去りにされている大谷石の山を一山いくらで買って使うというやり方もあります」と提案された。地元情報を惜しげもなく提案してくれるのは大きなポイント。

●2008.07.28(月)

朝一平塚。無事に確認申請が受理される。2週間で追加説明のチェックができると思うのでそれに速やかに対応するとその後2週間〜4週間で終わるだろうとの見通し。9月には着工したい。午後、風をつかむすまい?のアイディア整理。夜。葉山の花火大会。砂浜にイスとビールを持って出かける。波打ち際からそよいでくる風が心地よい。これを積極的に生かさない手はない。町の規模にふさわしい花火大会。心地よいうちに終了。いよいよ夏まっさかり。

●2008.07.29(火)

横浜へ所用。めがね情報を事前にネットで入手。遠近用レンズは一組10000円。この店には原油高がおよんでいない。勢い余って二組注文。仕事用と釣り用。生活者の財布のひもをゆるめるのは店主の姿勢だ。まじめにやっている姿勢にお金を払うのだと痛感。

●2008.07.30(水)

冷たい北風が心地よい。一般的に夏は南風が定説。しかし、北からそよいでくる微風は冷たいことが多い。南に大きな開口は大切だが、北風も取り込む工夫も夏場は大切。自然相手の事象を計画的にすまいに生かすためには日々の暮らしが大切。その場所でいつどんなときにどの向きに風が吹くのかということを体感で覚えておきたい。エアコンに頼った生活をしていると本能的な五感が退化してゆく。サバイバル状況に陥ったときにこそ五感が発揮する。

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