Blog Action Dayは、世界中のブロガーや、ポッドキャスター、ビデオブロガーが、年に一度、同じ日に同じ話題について取り上げるということに挑戦している非営利のイベントです。インターネット上で、グローバルなテーマについての興味が喚起され、議論のきっかけとなることを目指しています。
10/15の今日は「blog action day」だという。このアクションプランを昨夜車中のラジオで聞いた。2007年から始まり、昨年の10/15は世界中2万のブログで「環境」について語られたという。今年のテーマは「貧困」。環境も貧困もテーマとしては重いが、その実際の重さを実感できる日本人はどれくらいいるだろう。環境については企業の儲けの切り口に成り下がっている感もある。貧困となるとどうだろう。ご飯が食べられなくて、死にそうだという日本人は周りにいない。しかし井の中の蛙らしい。芸大出身の女性作家が年収200万で身も心も切り売りするのをやめてホームレスをしているという。英国でのホームレスの定義は「1ヶ月以内に家を失う可能性のある人」という。英国定義ではネットカフェ難民は立派なホームレス。日本にも膨大なホームレスがいるらしい。しかし、ご飯は食べている。
現在日本の貧困は「道徳貧困」「精神貧困」すなわち「心の貧困」ではなかろうか。ご飯は食べられる。たいていの欲しい物は手に入れられる。物質的には一見豊かに見える。しかし、人間として豊かな生き方ができているだろうか。プライスレスなものに価値を見いだせずに生きていないだろうか。合理、効率、所得、学歴、No1、そんなものに一心不乱になり過ぎてきたのではないか。現在年金をもらっている世代はそれで日本を支え成長させてきた。それはそれで今の日本があるのだろうと。しかし、その家庭を顧みない猛烈サラリーマン世代が見てみないふりをしてきた「家族」であったり「人間としてのプライド」が今、心の貧困を生み出していると。昨今の事件を見ていて痛感する。
もっと、狭い視点で貧困を見てみると。耐震偽装の姉歯事件。少しの金に目がくらんでしまったあげく、その行為がどういうことになるかという先のイメージができなくなっておきた事件。きちんとした道徳教育、家庭教育を受けていたならばおきなかったのではないか。そのおかげで今建築設計業界はとても窮屈で醜い事態がおきている。意匠設計者はまだそれほどでもないが、構造設計者にとって試練の時だ。姉歯事件の再発を阻止するべく国がとった策で実務者はまことにクリエイティブ難民と化している。特に事件の温床となった民間確認検査機関の担当者はとても貧しい状態だ。構造的に担当者が判断しにくい案件はすべて「?」でとりあわない。保身のあまり門前払いを繰り返す。あげくは「別の審査機関にしてくれ」といわんばかり。まったくプライドある職能を発揮せず、自分に火の粉が降りかかってこないだけに腐心している。もちろん、そうではない優秀な方もいるのは確かであるが少なすぎる。萎縮してしまっているのだ。その波及が構造設計者の減少という負のスパイラルを引き起こしている。もっと前を見てクリエイティブ難民とともに日本を豊かにして欲しいと思う。心の貧困が物質の貧困を引き起こそうとしている。
●2008年10月7日(火)
基本設計中の物件。構造の基本をまとめ予定していた構造設計者と電話で協議。どうも電話の向こうがしゃっきりしない。打ち合わせ予定日を打診するものらりくらり。基本計画中、数度相談していたのだが、いざ仮設計に入ろうとしている段階に来てもやもやしている。聞くと○△◇なのでのちのち迷惑をかけても困るから...。今更何を...。言う。
●2008年10月8日(水)
木造2階建ての住宅は基本的に構造設計者参加の義務づけはない。建築士の資格さえ持っていれば誰でもできる。一般的には、構造の専門家を入れることはしない。しかし、経験と勘だけを頼りに設計を進めるよりは、経済的かつより生活主体の設計が可能になる。私の場合、構造計画も好きなのでやりきってしまうことは全く可能だ。しかし、もっと...と豊かさを求めるとすぐれた構造設計者とタッグを組みたいのだ。
●2008年10月9日(木)
ネットで構造設計者を検索。構造設計事務所としてサイトを開設している事務所はかなり少ない。横道にそれて「カートップボート」をついつい。車の屋根にボートを積んで釣りに行こうというジャンル。黒鯛だけをやっているにはそれほどマイボートに興味はわかないが、「カワハギ」をやろうとするとエンジン付きのマイボートが欲しくなる。世界にはご飯も食べられない子供たちがいるというのに。
●2008年10月10日(金)
ネットで知った横浜の構造設計事務所。ピンとくるところがあったのでアクセスを試みる。しかし、そのサイトにはアクセスできるキーワードがどこにも記されていなかった。メールアドレス、電話番号。どこにもない。もしかして、あえて書いていない?主催者の個人名から電話番号を入手。連絡すると後ろでTVの音がする中、奥さんらしき女性が出て「こちらは個人電話ですよ。主人は出張中で、今忙しいから新規の依頼は断るように言われています!」とぶっきらぼう。やはり。思惑は的中。かんじわるし。
●2008年10月11日(土)
15年ぶりくらいにお会いする構造設計者。もう還暦はとうに過ぎているだろう。葉山までお越しいただく。プランを説明しアドバイスをもらう。我が事務所は彼のお兄さんに構造設計をしてもらった。お兄さんはとっくに引退して九州で渓流釣りにいそしんでいるという。将来の可能性と豊かな生活をサポートする構造デザインに多少不安がつのる。
●2008年10月12日(日)
私の出身大学に検索を絞りさらに探索。ピンときた事務所開設者にコンタクトメール。午後。葉山マリーナ裏でエギング。1時間ほど投げてあたりが無く、ふっと眼を遠くにやると大勢のアングラーの中にのらりくらりと仕事をことわった構造設計のTさん。なんだかげんなりして納竿。後ろから近づき「釣れてる?」とおどかそうとも思ったが、そんな気力も失せる。
●2008年10月13日(月祭)
御殿場から友人来葉。途中、小田原のショッピングセンターでまいせんのカツサンドを買ってくると言う。しかし、それの売り出しが12:00からだというので断念し葉山に向かったという。なんとなく昼飯は「カツサンド」モードだったので、葉山・逗子界隈で買えるうまいカツサンドを探す。ポンパドールのそれはうまいらしい。逗子駅近辺をあるくとサボテン。カツサンドの種類が豊富。逗子駅で彼女をピックアップし4種類のカツサンドとともに葉山へ。充実した時間を過ごす。食に関しては豊かというより飽食の感があり。夕刻、同大学出身の構造設計者から返信がある。
●2008年10月14日(火)
逢うことは可能との返信。早速都内まで出向く。明るい時間は時間がとれないとのことなので19:00アポ。やはり忙しいらしく新規は断っていると。スケジュールと進め方を説明すると快く引き受けてくれる。私と同年代。先々もパートナーとして二人三脚をくめると良いのだが。帰りのFMで「
blog action day
」を知る。「貧困」についてぼんやり考えながら雨の中帰路。
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