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薪ストーブを使い始めてから、はや四半世紀。やはり、基本に忠実にということをあらためて。まなぶ。使い始めた頃は、右も左もわからず、幼少の頃に慣れ親しんだ石炭ストーブをいじるように千葉で使い始めた。4年ほど前、私の設計した物件で薪ストーブ専門業者さんに薪ストーブを設置してもらった。引き渡しの時、その専門業者さんに着火方法を建て主さんの前でデモンストレーションしてもらった。それは中学生のキャンプファイヤーのように焚き付けを井桁に組み儀式ばったものだった。内心『そんなことしなくても...着くのに。おおげさな...』。

薪ストーブも使い始めて慣れてくると自分流でいろんなことができるようになってくる。灰の始末のタイミング、少ない薪でなが〜く焚き続けるこつ、何故針葉樹はだめで広葉樹が良いか。先人の話も加わり、経験が知恵になりどんどんうまくなっていく。しかし、やはり基本をどこかでしっかり身につけておいた方が回り道をしないで済むようだと実感した。

半月ほど前。晩秋。今年の春に引き渡したお客さんのところに、薪ストーブ講習行脚に行った。火入れする際にはやはりきちんと基本をお伝えしておいた方がよいだろうと例の「中学生キャンプファイヤー方式」で火入れのデモンストレーションをおこなった。ちゃんとやると、しっかりちゃんとついた。このちゃんときちんとつくというのは、それはそれでこつがある。そのこつは言葉でしっかり伝えてきたものの半分も理解できていないだろうと思う。それはそれでよい。薪ストーブの場合は、日々の失敗体験から学ぶことが多く、私の話をあとから思いだし、そういうことだったのか、と納得してくれればよいのだ。それくらいに奥が深く、面白い生活道具だ。

薪ストーブの着火に関しては、四半世紀私の無手勝流で苦労した。今年は晩秋薪ストーブ講習行脚したときのように「中学生キャンプファイヤー方式」ではじめてみた。はじめてみたところ、これが今まで煙の逆流と戦ってきた四半世紀は何だったのだろうというくらいうまくいく。ちゃんときちんと速攻で着火できるのだ。なんでも基本を身につけた上で、自分流にアレンジしていくのがいいのだろうと実感。これはいろんな場面で同じことが言えるのだと思う。はじめからそういうように基本をたたき込んで切れる場面があればよいが無ければ私のように回り道をして基本の大切さを知るようになるのだ。まあ。回り道をしたおかげでその基本の大切さがわかるというものでもあると思うのだが。人生もしかり、建築設計もしかりである。いろんなことを今。回り道中である。

▼焚き付けをきちんと準備する
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▼焚き付け用の小さく割った針葉樹や割り箸、段ボールなどを組む
081207-02.jpg▼その上に、乾燥した広葉樹を置く
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▼煙突の冷気を新聞紙火の玉で押し上げたあと、それを着火剤として焚き付けに着火
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▼「中学生キャンプファイヤー方式」はきちんとちゃんと薪に力を与えてくれる
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●2008年12月1日(月)

基本設計中のすまい。2社から相見積もりがでる。どちらの業者さんも互角。70万の差がつく。予算は遙かオーバーしているが、設計貯金もたくさんあるので貯金をとりくずし、贅肉を落としたシンプルな構成で着地点は見えるだろう。しかし、2社コンペ。質疑があったのは1社のみ。経験的に質疑がないのは「やる気がない」か、「慣れていない」か。わかんないところはたくさんあるだろうに。何がわからないかもわからないようではこれまた困るのである。

●2008年12月2日(火)

構造事務所からの設計があがってくる。コストをにらみながら構造も適正に贅肉をそぎ落とす。メタボなすまいではなく、筋骨隆々健全なすまいに仕立てたい。相見積もり業者の見積書を解体していく。

●2008年12月3日(水)

とある問屋さんが営業にくる。打ち合わせ場所に入るなり「薪ストーブの暖かさですかぁ。いいですね〜」と。『そうなんですよ〜』と言おうとすると早速営業のお話。小一時間。同行してきたおねえちゃん。営業の練習に同行したのか。何も話さない。し。途中。おなかがぎゅ〜っと鳴り、私が心配してしまう。かわいいからまだ良いけれど、会社は無駄な給料を支払っているんではないかと経営者の気分になってしまう。

●2008年12月4日(木)

近所の海岸べり。パトカーがいっぱい。何の警戒だろう。皇族が来葉の時とは違う気配。明け方朝飯前のルアー訓練のあとよく見ると。いつもはないところに巨大な船が。台風並みの大風に昨夜座礁したという。新聞にも出ていた。九州から東京までクレーン船を曳航していく途中に災難に見舞われ葉山に座礁したらしい。

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●2008年12月5日(金)

昨日。相見積もりの精査が終わる。質疑が全く来なかった業者さんの見積もりもれが目立つ。図面を見る能力がないのか、見る気がないのか。質疑がないということはそういうことだと合点がいく。70万ほどあった安さが、見積もりもれで逆になってしまった。見積もりもれはおたくの責任だからと施工者に押しつけて割に合わない価格で工事してもらおうとは思っていない。適正に利益を上げてもらって、建て主、施工業者、設計者3社がみな適正にプロジェクトに参加して良かったと喜べる仕事にしたいと思う。それが参加者一番みな幸せになること。あたりまえ。なので。質疑がなかった業者さんには丁寧にお断りした。

●2008年12月6日(土)

岡山から義理の妹が来葉。葉山の建て主Yさんがパン焼き器を返却に。重なる。妹は2時間くらいしかいられないらしい。うちの父のお見舞いとプライベート上京をかさねたという。葉山のYさんから父の様子を聞かれる。すこぶる元気ですと答えるも気にしていただいた。親戚ではないが、北海道出身者が今葉山にいて、気遣ってくれるというのはうれしいこと。すまいの設計でお付き合いが始まったのだが気にかけあうお付き合いというのは、なんともいえなくありがたい。遠くの親戚よりも近くの他人。

●2008年12月7日(日)

朝一からコストダウン案図面と格闘。午後3時。葉山の土地探し物件の立ち会い。それぞれいろいろ長所短所あるが気に入ればこっちのもの。気に入るかどうかが最大のポイント。3年越しの葉山定住がみのるかどうか。夕暮れ。ルアー投入の練習。芦名。シーバスは汽水域にいるという基本中の基本を知るのはいつになるだろうか。佐島の上州屋に行くと「葉山で90cm!」とあった。どこにそんなスズキ君がいるんだ。。。





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