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久しぶりに東京で電車に乗る。十数年ぶりか。いつもは車で移動が基本。南北線?大江戸線?さっぱりわからない。

PPとシングルの真空管アンプをトランクルームに乗せ小石川へ。大学時代の恩師が真空管アンプの聞き比べを昨年から楽しみしていた。行きますよと言ってから1年以上も経過。今年の年賀状に「真空管楽しみにしています」と一言。やっと都内がよいが始まったのでメール。自宅を訪問し早速セット。思いのほか手間取る。魔物が棲んでいる模様。真空管アンプを受け入れたくないなにかが悪さをしている。不思議な現象。多々。

セッティングが終わり、恩師が日頃聴きなじんでいるソースを次々に。ふと。私が好きだったTV「優しい時間」の挿入歌が流れる。(この番組が好だった人はこちらもたまりません)途中チェロが真空管アンプの味を良くだしているなあと思いつつ遠くを眺める。恩師。「いいね」と。持って行ったのは、SV-501SE(シングル)SV-3488(プッシュプル)。そのアンプの電気的な駆動システムを簡単に説明し試聴。SV-501SEを聞いたとたん。「いいね」。次にPP。「一瞬良いのだけど長く聞くとシングルが良いかも」と恩師。違いはわかったようだ。

そのあと呑む。建築話に花が咲く。「不動産屋みたくなっちゃだめだな」。四方八方に気を遣う必要はないということ。最低限、依頼者の言い分は理解したい。依頼者のために仕事をしているので全てにおいて自分の信念・デザインポリシーを通すわけにはいかない。できる計画にはとことん自分らしさを出せば良いのではないかと恩師アドバイス。理解できるが。私に依頼してくれる全てのお客様に分け隔て無く全力投球していきたいと思うのが本音。それができるように組織に属さず、一匹オオカミでやっているのだから。北欧ではアアルト以降目立った建築が出てこなかったけど、最近「木」を使って新しい提案をしている若い建築家がいるという。佐山も北海道に帰って素材に腐心したらと。北海道の原風景は結構貧しいのでそれもありかと考えさせられる。自分が考える一番良い方法でやるしかないとエールをもらう。

夜。建築やっている友人宅に泊まる。議論白熱。朝、電車を乗り継ぎ。車へ戻る。久しぶり。何年ぶりかで地下鉄に乗る。浦島太郎状態。最近は、切符売り場の付近に案内嬢がいるという。主にストレンジャーのためらしい。が。私もじゅうぶんストレンジャー。お姉さんに教えてもらわないと機械式ラッチが私をガード。やれやれだ。


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