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●2009.05.17(日) 18:00~ オリフィス提案

依頼者の加納さんから「終の棲家なのでよろしく」といわれていた。平均寿命から想定すると20〜40年は暮らすことになる。その間に起こりえるだろう加納さんを取り巻く変化について考える。温暖化によるエネルギー革命。それによる空気浄化。加齢による身体変化。変化するであろう事象を頭でシャッフルする。結果、可能な限り自然エネルギーを使い、身体に五感がみなぎるように空間を仕立てることで、健康な暮らしを組み立てられるようにしたいとスタディを繰り返す。現地4階の計画場所は幸い混み入っていなく風が動いていた。

現在お住まいのマンションにて夕刻。「オリフィス・エコロジー〜微風をつかまえろ!エアコンに頼らない地球にローインパクトな生活」というコンセプトを提案する。それは、ベランダに微風をとらえるウイングを設けることと、4階100平米を可能な限りワンルームとすることで具体化したいと伝えた。また、100平米のワンルームを間仕切るためにセットした浴室は上部を天井から切り離し、TVラック兼収納ボックスは天井から吊り床から切り離した。視線的には区画されているが、空気は動くしつらえとした。常に空気が動くことで、体感温度を下げ冷房に頼らない生活をデザインした。

某S百貨店で20年、某S商事で20年、そして現在もインテリア関係の仕事に従事している加納さん。快く提案を受け入れてプロジェクトはソフトランディングした。空間の組み立ての他、吸湿性に富む仕上げ素材、空気を汚しにくい暖房などを合わせて提案。峠に向かって歩き出したが、まだまだ峠は遠い。予算との合致が見えるまで、皆で登り続けることになる。


●2009.05.20(水) 13:30〜 現地にてF工務店に図面説明

計画当初、予条件の中に、エレベーター増築があった。それと4階フロアーのリノベーション。この工事内容になると、総合建設業を掲げる施工業者さんが望ましい。加えて入札形式を加納さんは望まれた。スタート当初から同行いただいているM建設さんの他にも見積もりをとるために、かねてからTさんに紹介されていた都内のF工務店さんに見積依頼。基本設計内容を現場で説明。厳しい工期ゆえ、週明けには概算を出してもらうようにお願いする。


●2009.05.21(木) 13:30〜 現地にてリフォーム専門業者に図面説明

第一回目のプラン提案までの間に、エレベーター増築は今回中止にする旨のメールが来ていた。また、リフォーム専門業者さんはどうかと打診される。今回のプロジェクトが4階ワンフロアーの改装だけになるのであれば、総合建設業の業者さんでなくても良いと判断。一度別件で名刺交換していたリフォーム業者さんをノミネート。加納さんも了承していたので、入札依頼。現場で基本設計内容を説明。担当者のOさん。マンション新築の現場に長けていてマンションリフォームは得意だという。週明けの概算提出も快諾。


●2009.05.22(金) 14:00〜 船橋IKEA 

キッチンや家具を具体的に検討したいので見に行くという。その後、打ち合わせ可能かという打診。夕方に別件の予定があったので、同行を決める。IKEAで実物を見ながら、アドバイス。見積も依頼し藤沢へ。高速に上がると事故渋滞。18:00到着予定が大幅に遅刻。19:30。予定場所に滑り込む。


●2009.05.24(日) 18:00~ 調整プランの打ち合わせ

私が本プロジェクトに入る前のプランでM建設さんから概算が出ていた。約予算の2倍弱。改装なのでそうそうプランが変わったくらいで減額しない。それを前提に、見積が出る前から減額プランへ修正をはじめる。私の提案したオリフィス・プランをたたき台にして、コンセプトを残しつつ、減額できる部分を洗い出す。加納さんが言う一般的なリフォームの坪単価に近づけるために試行錯誤。峠はまだ遙か彼方。しかし、かつて無いスピード感でプロジェクトが動いていく。










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