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●2010年02月23日(火)

ヨーロッパから一時帰国されているNさんご夫妻と三浦半島を回る。今回の一時帰国はヨーロッパで退職された後、日本で終の棲家とされる場所を探す目的。逗子駅で初めてご挨拶した後、簡単にご要望をお聞ききして早速不動産担当者と横浜横須賀道路を南下する。都心にほど近い横浜のはずれに位置しながら緑が深い横横の風景に驚かれる。暖かい場所で家庭菜園やハイキング、自然と寄り添う暮らしをご希望されるNさんには三浦半島はかなり近い線だと思っていた。1件目は11:00頃到着。南西に海を見下ろし、のどかな三浦半島の畑に隣接している。400坪の土地の芝生は見事に手入れされ暖かな日差しが存分に注いでいた。売り主の熟年奥様が案内してくれた。アメリカンなDIYでその一角だけはウエストコーストの雰囲気が漂う。急逝されたご主人がアメリカに縁があったらしくライフスタイルもアメリカンな様子。諸事情により手放すことに。Nさんも好印象なご様子。佐島で昼食をはさみ、数件見るも三浦ウエストコーストより優れる物件はなし。参考までに、逗子の披露山住宅街を見て終了。今後も情報を送ることでお別れする。夕まずめ。友人から電話。葉山で一緒にロッドを振る。帰りがけ業務連絡。明日、彼の土地を見に行くことに。


●2010年02月24日(水)

横浜どまんなか。高層ビルも垣間見える場所。その付近一帯だけ木造2階建ての住宅が窮屈そうに建ち並んでいた。釣友が生まれ育った場所だという。隣のおじさんも「おう!」と声をかけてくる。都市部に生活感が漂う。その地域の一部がすでに不燃化された3層住宅に変わりつつある。密集地であるが「おう!」と気軽に声を掛け合える積極的な仕掛けが必要だと感じる。新しい不燃化住宅は頑強に火災には強そうではあるが、近隣との関わりも拒んでいるように見えた。すまいは新しくなっても、地域の生活連帯感は失わないように計画したい。


●2010年02月25日(木)

お昼に突然電話が鳴る。旧所属会社の香住の友人が鎌倉にいるという。著名な作家さんの住宅を公共的な使い方で再生させたいという。午後一現場に駆けつける。壮大な敷地に贅沢に木造2階建てが建つ。ご夫婦でお住まいになられていたそのすまいは、仕事場も兼ねていたとのことで膨大な資料と本の量に圧倒される。先に奥様が他界されたその場所でひとりで執筆されていたらしいが、他に身寄りがなかったらしく、なんとも寂寥感が漂う。筆一本で成功し、財をなし、豊かな晩年、すばらしい環境に身を置いていたはず。真に豊かにいきてゆくっていうことをしみじみと考えてしまう。


●2010年02月26日(金)

年に一度の会計担当と昨年度の数字についてコミュニケート。昨年度はかつてないほどの数字となる。今期は17期目。自営の歴史も深まってゆく。良いときもあれば悪いときもあるのが自営の道。100年に一度という不況のせいにせず孤軍奮闘し今期も良い仕事を残したい。私の使命は「町医者的建築家」にありと信じる。豊かに生きてゆくことを実践しながら、それをサポートする建築のあり方をきちんと考えたい。通り一遍のハウスメーカーは聞こえの良い「エコ」を振りかざし、太陽光発電、オール電化がすべてと言っているらしい。手段がそれ一本では本末転倒。すまいはそれぞれに合った豊かな人間生活をサポートすることが目的なのだ。

●2010年02月27日(土)

近所のこども宇宙科学館。久しぶりにプラネタリュウムを観る。人工的な丸い空間に映し出されている星空ではあるが、遠い暗黒の世界に人間の小ささを感じる。人類の歴史なんて宇宙の歴史からみるとほんの些細な時間でしかない。ましてや自分の一生なんて本の数十年。どこから来てどこへ行くのかわからないが、精一杯今の時間を有意義に使わなければと。チリで大地震。一瞬にして人生が終わってしまうかもしれない。真剣に考えれば考えるほど背筋が寒くなる。


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