■ 概要
所在地/宇都宮市
主要用途/専用住宅
家族構成/夫婦+子供一人
■ 設計
佐山建築研究所
担当 佐山希人 鈴木香住
■ 施工
(株)牧田工務店 牧田功 監督 加藤健一
■ 工程
設計期間 2008年5月〜2009年1月
工事期間 2009年3月〜2009年10月
■ 設計趣旨
計画地はJR東北本線宇都宮駅から南に約1Kmの静かな住宅街に位置している。
計画地の北側には道路を挟んで大きな公園があった。
住宅計画の相談があり、計画地を見た瞬間、北側に位置する公園と一体となるような生活を組み立てたいと感じた。
また、夏にはひらけている公園から北よりの風を取り込み、エアコンに頼らないローエネルギーな生活スタイルも可能だとも直感した。
その感性を大切にしたプランを熟成させ、建て主ご夫妻に提案した。
まずは、平面計画を『つづみ型』とし、公園側に大きく開くこととした。
そのつづみ型平面は、建物の中心部から四隅にウイングを張り出し全方位の風もからめとることを目論んだ。
また、からめとられた風は建物の中心部に向かうにしたがい絞り込まれ、流速が増すことで体感温度を下げる計画的工夫を試みている。
次に、公園と建物の間に道路が横たわっているので、道路を歩く人との視線が交わらないように、1階の床面を上げることとした。
その断面的な工夫により、道路を歩く人の視線を気にせず、常に大きく公園に開くことができた。
公園に大きく開くことができることで、公園と一体となり、北よりの風も取り込むことができると考えた。
また、高床とした床下には深夜電力による蓄熱式暖房機を仕込み、全館床暖房も採用した。
完成したリビングで五感をとぎすますと、北よりの微風をからめとる効果はねらい通りだった。
うれしい誤算は、公園に大きくそびえる桜の葉音が集音されリビングにも入り込んできたことだ。
その誤算は、暑い夏、風鈴のような涼しさをもたらしてくれるだろう。
北側に広がる明るい公園と一体となる涼しいリビングは、毎日の生活に四季のリズムを刻んでくれると信じている。
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宇都宮。風の建築[No.51]
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