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おととい。車で都内へ向かう途中ラジオでレットイットビーを聞いた。その曲をリクエストしたお父さんは娘に寝るときに歌ってあげている曲だという。私の頭の中にもあまずっぱい小学六年生の北海道時代の光景が浮かんだ。その当時好きだった女の子の実家。スーパーの前の映画館。自転車で通るたび「えるぴーえるぴー」と聞こえてていた。えるぴーってナンだろうと思っていたが、それはレットイットビーだった。今現在は50才である私の頭の中は甘酸っぱさで満たされて少し恥ずかしくもなった。

それと同時に音楽は良いなと思った。きっとそれぞれの想いが重なってその気持ちの時に聞いた曲が数十年経っても色あせず当時の映像と重なって耳の奥からよみがえってくるのだと思った。私にとって。ビートルズのレットイットビー。カーペンターズのNow&Then(小学校6年生。新聞配達のアルバイト初給料で買ったLP)。キャロルのファンキーモンキーべービー(中学時代コピーバンドやってた)。ビリージョエルのピアノマン(札幌の予備校)。カーズのユーマイトシンク(大学時代先輩に教えられた)。クリストファークロスのAll rihgt(武道館にも行った)。バグルスのラジオスターの悲劇(大学のちりかみ交換バイト。車のラジオから一日中)。そして。ずーっと通しでいろんな光景が思い浮かぶトムウエイツのグループフルーツムーン。これは私の記憶映像とリンクする曲の中では筆頭で、いっぱい想い出の詰まっている曲だ。




実はこのトム・ウエイツとイメージが重なり気になるシンガーがいる。5月に初めて東北の被災地、南三陸町に行った。昼飯はカフェGという所があるという情報を仕入れていったのでそこに駆け込んだ。店の中から見える大海原。ほっとソファに腰掛けると何とも言えないゆったりとした時間が過ぎた。そのゆったりとした心地よさはBGMにあった。葉山に戻り、カフェGのサイトをのぞくとマスターが安藤明子さんというシンガーの曲にぞっこんだということを知る。8/4に願いかなってカフェGで安藤明子ライブがあるというので私も葉山から駆けつけた。彼女のことを少しだけ調べると、今でも京都の喫茶店でアルバイトをしながら大好きな歌を歌い続けているという。メジャーではないので基本「投げ銭ライブ」。トム・ウエイツが皿洗いをしながら、閉店した店のピアノで曲を作っていたという逸話と重なる。その京都の喫茶店に水槽があるという「♪水槽の向こうに揺れる 笑うかわいい女の子 恋をしているのね オレンジ色のスカート♪」彼女の最新アルバム。8/4は夜のライブなのでそのままカフェGに居座ることを決めて打ち上げに参加させてもらった。安藤明子さん、カフェGマスターとキミさん、北海道のプロモーター春名さん夫妻、そして私。かなりくつろいだあと、アンコールをしなかったことが話題になり、一曲披露してくれることになった。「selfish」。彼女もトム・ウエイツのように手の中に☆を持っている。生で彼女の声を聞いて私は確信した。個性の固まりはとてもまぶしかった。11月中旬。私が今度カフェGでのライブをプロモートしたいと企んでいる。

安藤明子 official website





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