//////////////  この記事は「関東大震災の思い出」(編集:永嶋照之助・鈴木麻知子)から許可をいただいての転載です。88年前の関東大震災の記録から教訓を学びとり、今後起こりえ る大震災への備えとなれば幸いです。(佐山:2011年4月)   ///////////////


 天地鳴動、山は赤肌、地は裂け土砂噴出、地上の建物は倒壊、焼失、流言飛語。田舎中学校の屋根復旧工事中の感電死事故...。

 山形県青年隊が屋根瓦の工事中のこと。屋根に上って黒瓦5枚1組を担ぎ作業をしている最中、たれ下がった電線(3300ボルト)に触れ感電。そばに居合わせた同僚は夢中で感電した仲間の上着を引っ張ったが動かない。さらに他の2名が力を合わせてようやく屋根から引きずり下ろしたが、前の2名はすでに絶命、後ろの2名は運よくも手袋をしていた事のおかげで命拾いした。しかし、手の平には感電の跡か、黒い穴が開いていた。

 この突然の事故で、この工事は一時中止、関係者は現場を去った。

 傍らに居合わせた生徒達も呆然の態だったが、悄然と教室にもどった。私が中学2年生だった時、目の前で起きた瞬間の出来事である。



出典:関東大震災の思い出(平成8年9月1日発行)
編集:永嶋照之助・鈴木麻知子
発起人:永嶋照之助
http://www8.tok2.com/home2/kantodaishinsai/


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