2011年3月11日14:46頃、マグニチュード 9.0 を記録する地震が東北地方太平洋沖で発生しました。この地殻変動で巨大地震と大津波のおかげで関東から東北の太平洋沿岸地域が大被災しました。現在はその災害から約20日経過しています。過去の記録からしますと、最大余震は数ヶ月経ってから発生するとの記録もあります。のど元過ぎれば忘れてしまいがちの過去の教訓。今一度しっかりと知り、同じ過ちを犯さないための知恵として知っておきたいと思いました。
そのために私は神奈川県の三浦半島での過去の災害を知るために葉山町の図書館に行きました。そこで、ある震災記録冊子と出会いました。「関東大震災の思い出」「関東大震災の思い出・追録」の2冊でした。2011年現在いずれ来ると言われている東南海地震。その際は、関東大震災の教訓、あるいは経験が生きるための知恵になるのではないかと思い全文掲載したいと思いました。50編ほどあります。
この冊子は横須賀市にお住まいだった故・永嶋照之助さんという方が同輩に依頼して震災の状況をそれぞれに作文してもらったようで、それを丁寧に編集されて記録として残されていたたようでした。その際には、お孫さんの鈴木麻知子さんが補助されていました。彼女と連絡を取ることができ、全文掲載を快諾いただきましたので掲載させていただけることになりました。一文一文はとても重い内容です。であればこそ備えるための知恵として迫ってきます。震災に遭い生き残った方々の記憶を共有することで知恵としていきましょう。関東大震災で亡くなった方々のお話は聞くことが出来ません。
「関東大震災の思い出」
はじめに
関東の大震災 は大正12年(1923年)9月1日、その前、江戸を襲った安政の大地震は安政2年(1855年)の10月2日、この間68年。平成4年は1992年で大正12年との間はまさに69年。
震災の70周年説もささやかれた事等が思い浮かばれる。さてこの体験をした人達は既に傘寿を越えた方達、日毎にその数は少なくなる実状。「今ここで 、各々のとっておきの思い出を寄せてもらえれば」との考えから、地元老人会の集会の席上で呼びかけをし、更に翌平成5年の年賀状の挨拶文に「体験談を集めようとしている。」旨を付記した所、多くの方々から貴重な体験文が頂けた次第。これらを一日も早くまとめ「70周年記念文集」にと思いながらも延び延びとなり、今日の日となってしまいました。
その間際になり釧路沖地震、関西大震災等の発生を見たのでした。この企画が予定通りに進行し、前記災害の発生前に完了していればと惜しまれた次第でした。
しかし、これらの災害はいつまた起こるかわかりません。この不時の災害に備えて常日頃、手ぬかりのありませんようにと心掛けて頂ければ幸甚至極でございます。
平成8年(1996年)9月1日
永嶋照之助
出典:関東大震災の思い出(平成8年9月1日発行)
編集:永嶋照之助・鈴木麻知子
発起人:永嶋照之助
http://www8.tok2.com/home2/kantodaishinsai/
ー 目次 ー
※ 出典もとには具体的な地域名は明記されていませんが、本文から推測し佐山が補足しました。
01. 蓮田に避難 / 相田三郎 (東京本所)
02. 愛宕山の崩落 / 青柳新一郎 (横須賀市浦賀)
03. 浦賀ドック工場に勤めて / 石川常吉 (横須賀市久里浜)
04. 北下浦村の概況 / 石渡儀平 (横須賀市北下浦)
05. 東村誌抜粋(前橋市) / 牛込福太郎 (前橋市)
06. 津波の被害も / 加藤菊治 (三浦市南下浦村)
07. 鎌倉で遭遇した関東大震災 / 加藤正 (鎌倉市)
08. 芦名に育って / 上遠野チヨ (横須賀市芦名)
09. 長井屋形での思い出 / 嘉山喜三郎 (横須賀市長井)
10. 級友吉田君のこと / 軽部 チヨ (横須賀市林)
11. 流木の利用 / 桐ケ谷浩三 (横須賀市浦賀)
12. ガラス窓の抜けた兵舎で / 小板橋八千代 (横須賀市中里)
13. 隣の「ばあ」 / 小林 キク
14. 浦賀町芝生で / 齋藤 貞枝 (横須賀市浦賀)
15. 火の海と化した城東 / 佐久間岩之丞 (東京神田)
16. 東京精養軒に勤めて / 鈴木 安蔵 (東京市京橋区)
17. 命拾い / 鈴木トメ (横須賀市武山)
18. 金沢区六浦で / 鈴木美江 (横浜市金沢区)
19. 瞬間の出来事 / 高島七郎
20. 大福を売る / 長柄美津江 (小田原市)
21. あの震災を思うにつけ / 永嶋 照之助 (横須賀市浦賀)
22. 中川二郎氏の話した事を / 永嶋照之助 (横須賀市浦賀)
23. 私の思い出 / 永嶋照之助 (横須賀市浦賀)
24. 武山村太田和上の里で / 長瀬ハナ (横須賀市太田和)
25. 学校の事や地域のこと / 鴨川熊吉 (横須賀市太田和)
26. 横須賀市下町の状況 / 浜田 清 (横須賀市米ヶ浜)
27. 港町の崖崩れを見る / 浜田和三郎 (横須賀市港町)
28. 九死に一生 / 早川 はつ (東京都浅草)
29. 葉山町木古庭から / 廣川武雄 (葉山町木古庭)
30. 娘十七の時 / 福本 はつ (横須賀市芦名)
31. お使いに出て / 松戸糸子 (横須賀市楠ヶ浦)
32. 円札空に舞う / 松野八郎 (千葉県長生郡)
33. 横須賀市逸見で / 三浦たき子 (横須賀市)
34. 地震のおじさん / 三堀つね (横須賀市)
35. 私の生い立ち / 望月千代 (東京 御徒町、田端)
36. バラック生活七、八年 / 望月久子 (横須賀市不入斗)
37. はだしで帰る / 山ロサヨ (横須賀市)
38. 金沢区谷津町で / 山田ヒサ (横浜市金沢区)
39. 置き去られた私 / 米山 繁男 (横須賀市佐島:津波 + チリ地震)
40. マンザイ、マンザイ / 若命ハツ子 (横須賀市武山)
41. 浦賀小学6年生の思い出 / 若命勇次郎 (横須賀市浦賀)
42. 幻の印象 / 和田房子 (横浜から二宮へ)
43. 長井のあゆみ(長井小学校誌より抜粋) (横須賀市長井)
あとがき / 永嶋照之助
追録 ー 目次へ ー
そのために私は神奈川県の三浦半島での過去の災害を知るために葉山町の図書館に行きました。そこで、ある震災記録冊子と出会いました。「関東大震災の思い出」「関東大震災の思い出・追録」の2冊でした。2011年現在いずれ来ると言われている東南海地震。その際は、関東大震災の教訓、あるいは経験が生きるための知恵になるのではないかと思い全文掲載したいと思いました。50編ほどあります。
この冊子は横須賀市にお住まいだった故・永嶋照之助さんという方が同輩に依頼して震災の状況をそれぞれに作文してもらったようで、それを丁寧に編集されて記録として残されていたたようでした。その際には、お孫さんの鈴木麻知子さんが補助されていました。彼女と連絡を取ることができ、全文掲載を快諾いただきましたので掲載させていただけることになりました。一文一文はとても重い内容です。であればこそ備えるための知恵として迫ってきます。震災に遭い生き残った方々の記憶を共有することで知恵としていきましょう。関東大震災で亡くなった方々のお話は聞くことが出来ません。
「関東大震災の思い出」
はじめに
関東の大震災 は大正12年(1923年)9月1日、その前、江戸を襲った安政の大地震は安政2年(1855年)の10月2日、この間68年。平成4年は1992年で大正12年との間はまさに69年。
震災の70周年説もささやかれた事等が思い浮かばれる。さてこの体験をした人達は既に傘寿を越えた方達、日毎にその数は少なくなる実状。「今ここで 、各々のとっておきの思い出を寄せてもらえれば」との考えから、地元老人会の集会の席上で呼びかけをし、更に翌平成5年の年賀状の挨拶文に「体験談を集めようとしている。」旨を付記した所、多くの方々から貴重な体験文が頂けた次第。これらを一日も早くまとめ「70周年記念文集」にと思いながらも延び延びとなり、今日の日となってしまいました。
その間際になり釧路沖地震、関西大震災等の発生を見たのでした。この企画が予定通りに進行し、前記災害の発生前に完了していればと惜しまれた次第でした。
しかし、これらの災害はいつまた起こるかわかりません。この不時の災害に備えて常日頃、手ぬかりのありませんようにと心掛けて頂ければ幸甚至極でございます。
平成8年(1996年)9月1日
永嶋照之助
出典:関東大震災の思い出(平成8年9月1日発行)
編集:永嶋照之助・鈴木麻知子
発起人:永嶋照之助
http://www8.tok2.com/home2/kantodaishinsai/
ー 目次 ー
※ 出典もとには具体的な地域名は明記されていませんが、本文から推測し佐山が補足しました。
01. 蓮田に避難 / 相田三郎 (東京本所)
02. 愛宕山の崩落 / 青柳新一郎 (横須賀市浦賀)
03. 浦賀ドック工場に勤めて / 石川常吉 (横須賀市久里浜)
04. 北下浦村の概況 / 石渡儀平 (横須賀市北下浦)
05. 東村誌抜粋(前橋市) / 牛込福太郎 (前橋市)
06. 津波の被害も / 加藤菊治 (三浦市南下浦村)
07. 鎌倉で遭遇した関東大震災 / 加藤正 (鎌倉市)
08. 芦名に育って / 上遠野チヨ (横須賀市芦名)
09. 長井屋形での思い出 / 嘉山喜三郎 (横須賀市長井)
10. 級友吉田君のこと / 軽部 チヨ (横須賀市林)
11. 流木の利用 / 桐ケ谷浩三 (横須賀市浦賀)
12. ガラス窓の抜けた兵舎で / 小板橋八千代 (横須賀市中里)
13. 隣の「ばあ」 / 小林 キク
14. 浦賀町芝生で / 齋藤 貞枝 (横須賀市浦賀)
15. 火の海と化した城東 / 佐久間岩之丞 (東京神田)
16. 東京精養軒に勤めて / 鈴木 安蔵 (東京市京橋区)
17. 命拾い / 鈴木トメ (横須賀市武山)
18. 金沢区六浦で / 鈴木美江 (横浜市金沢区)
19. 瞬間の出来事 / 高島七郎
20. 大福を売る / 長柄美津江 (小田原市)
21. あの震災を思うにつけ / 永嶋 照之助 (横須賀市浦賀)
22. 中川二郎氏の話した事を / 永嶋照之助 (横須賀市浦賀)
23. 私の思い出 / 永嶋照之助 (横須賀市浦賀)
24. 武山村太田和上の里で / 長瀬ハナ (横須賀市太田和)
25. 学校の事や地域のこと / 鴨川熊吉 (横須賀市太田和)
26. 横須賀市下町の状況 / 浜田 清 (横須賀市米ヶ浜)
27. 港町の崖崩れを見る / 浜田和三郎 (横須賀市港町)
28. 九死に一生 / 早川 はつ (東京都浅草)
29. 葉山町木古庭から / 廣川武雄 (葉山町木古庭)
30. 娘十七の時 / 福本 はつ (横須賀市芦名)
31. お使いに出て / 松戸糸子 (横須賀市楠ヶ浦)
32. 円札空に舞う / 松野八郎 (千葉県長生郡)
33. 横須賀市逸見で / 三浦たき子 (横須賀市)
34. 地震のおじさん / 三堀つね (横須賀市)
35. 私の生い立ち / 望月千代 (東京 御徒町、田端)
36. バラック生活七、八年 / 望月久子 (横須賀市不入斗)
37. はだしで帰る / 山ロサヨ (横須賀市)
38. 金沢区谷津町で / 山田ヒサ (横浜市金沢区)
39. 置き去られた私 / 米山 繁男 (横須賀市佐島:津波 + チリ地震)
40. マンザイ、マンザイ / 若命ハツ子 (横須賀市武山)
41. 浦賀小学6年生の思い出 / 若命勇次郎 (横須賀市浦賀)
42. 幻の印象 / 和田房子 (横浜から二宮へ)
43. 長井のあゆみ(長井小学校誌より抜粋) (横須賀市長井)
あとがき / 永嶋照之助
追録 ー 目次へ ー
はじめまして、こんにちは(*^^*)
以前から関東大震災について、体験記録など探しておりまして
今回こちらを拝見させていただきました。
すべて読ませていただき、とても参考になりました。
私のブログにこちらのページをリンクさせていただいても
よろしいでしょうか?
突然唐突お許しください。
よろしくお願いいたします。
コメントありがとうございます。
東京から神奈川へ引っ越されるときにいろいろ調べられたようですね。
私もできれば、神奈川に住んでいる方、神奈川に住もうとされている方、特に土地を購入して移り住もうとされる方に神奈川県における関東大震災の状況を知ってもらった方が良いと思い文献をテキスト化しました。
hiromiさんのように検索されて多くの方々に読んでもらえれば幸いです。
リンクは大丈夫です。
よろしくお願いします。
ありがとうございます(*^^*)
早速アップさせていただきました。
地震だけでなく、その後の余震や
どのように被災したらよいのか学ぶことがたくさんあります。
個人、地域、行政、それぞれのレベルで
きちんと考えなくてはと思っております。
私のブログでは稚拙な文章ばかりで
申し訳ございません( ̄_ ̄;)
本当にありがとうございました。
貴サイトでご紹介いただきましてありがとうございます。
この記録は、できるだけ多くの人に読んでもらいたいと思っております。
これからも、できるだけ地域情報を建築家の視点で出して行けたらと思っております。
鈴木麻知子です。
ブログテキスト化、お疲れさまでした! そしてありがとうございます!!
きっと祖父もこういうことを本来望んでいたと思います。
私もサイトからリンクさせていただいてよろしいでしょうか?
この度はテキスト化を承認いただきましてありがとうございました。
この一連の記事は、かなりの読まれております。
麻知子さんのサイトへリンクはもちろんですが、まだ更新していなかった内容のテキストを持って行っていただいてかまいません。
多くの人に読んでもらうことは、大切だと思います。
重ねて、ありがとうございました。