//////////////  この記事は「関東大震災の思い出」(編集:永嶋照之助・鈴木麻知子)から許可をいただいての転載です。88年前の関東大震災の記録から教訓を学びとり、今後起こりえる大震災への備えとなれば幸いです。(佐山:2011年4月)   ///////////////


 私は女学校の帰りに、坂本の坂上の秋山履物店に寄りました。それは朴歯の歯のすげ替えを頼んであたからでした。が、その話をし出す前に、グラッグラッと大揺れがきました。私は思わず転びそうになって下駄の鼻緒を切ってしまいました。そのお店を見ると棚にあった履物が辺り一面に落ちていました。
 私は鼻緒の切れた下駄を手に持ってハダシで友達の木村正子さんと泣きながら家の方へ歩き出しました。途中、内山材木店の所まで来ますと、材木が道いっばいに倒れていました。私はその上をハダシで歩いて行きました。

 家に帰ったら壁にヒビが入っている程度の被害でしたが、夜は怖いので家の前の道路をへだてた南側の空き地に雨戸を運んで、その上に布団を敷いて寝ました。いく日位そんな晩が続いたかは覚えていません。



出典:関東大震災の思い出(平成8年9月1日発行)
編集:永嶋照之助・鈴木麻知子
発起人:永嶋照之助
http://www8.tok2.com/home2/kantodaishinsai/


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