今年5月、GWが終わり静かになった頃、アウトドアパーティーのお誘いがあった。我々がすまいの設計を担当した『湯河原。木・風・みかんの家』のご夫妻からの招待。インドアにこもりっきりだったので、これ幸いと外の空気を吸いに出かけた。このご夫妻、海と山のボーダーに住んでいながら飽きたらず、さらに山にわけ入り、畑を開墾しているという。その山の畑でアウトドアパーティーをするからどうぞというお誘いだった。

約束時間に遅れて現地に到着し、挨拶もそこそこに、そそくさと薪ストーブとダッチオーブンを準備した。ちらっと横目で参加者を見ると約15人ほど。みかんの家ご家族以外は見知らぬ人ばかり。まあ、いいかとこそこそ準備をする。それぞれ一品程度は食材を持ち込むことになっていた。我々、goron+sarukoは、『中華粥』を仕込んだ。仕込んだ後は、2時間強ほったらかしにしておくだけなので、こんな時は誠に都合がよい。デイキャンプで焚き火や炭のBBQも楽しくて大好きだが、いきなり薪ストーブで煮炊きを始めると、たいがいびっくりする。知らない人との交流には、話題提供と我々のスタイルを知ってもらう誠に都合がいい道具だ。そして、2〜3時間ほど、ゆっくりと薪ストーブのまわりで火をつつきながら、いろんな話を見知らぬ人としていく。たまにダッチの蓋を取り様子をうかがう。最後にダッチの蓋に薪ストーブから取り出したおき火をのせる。まだ、その時点で『中華粥』に興味を持っている人は半分。できあがり、トッピング材料を並べる。しらがねぎ・しょうが・ピータン・腐乳・などなど。食べ始めると、まだ挨拶もできていない人からも『おいしい』と声が漏れてくる。うれしい。それをきっかけにほぼ皆さんと交流ができた。


帰りがけ、mixiに入りませんかとみかんの家の奥様からお誘いがある。話には聞いていたけど、中の様子がさっぱりわからなかったので、ハアとだけあいまいに返事をした。帰宅すると早速お誘いメールが入っていた。どれどれと中にはいると、誘ってくれた奥様のページに今日山でお会いした人たちがいらっしゃった。mixiはネットだけのバーチャルコミュニティではなく、現実社会にもつながる交流サイトなのかと理解。そして、お会いした人たちの名前や年齢、趣味仕事などを知った。山で挨拶しただけではわからないリアルな情報がいっぱい。

それから、約2ヶ月が経過した。なんとなく、私なりの使い方が飲み込めてきた。mixiは不特定多数が閲覧に来るホームページやブログと違い、基本的に実名と紹介者がいないと入れないクローズドコミュニティ。表のサイトでは書けない個人日記を展開している人や、身分公開特定者だけが集うさらにクローズドされたコミュニティ(これは身分公開のメーリングリストと同じ模様)があったり。
昨日、『mixiに参加してみた』というbomgirlさんの記事を読み、私も同感と思うことがあった。それは、全員mixi内では本名を名乗り、プロフィールは嘘偽りのないことが基本だと思っていたことだ。mixi内をふらふらしているとそうでもない人が多い。私を招待してくれたみかんの家の奥様やその友人達はみな本名でやっている。それが、基本だと思うが、そうでも無いらしいのだ。それは、開発者側にとって本意ではないのでは?と思いググってみた。すると、『特別企画・あなたはGREE派?mixi派?座談会』というサイトにぶつかった。

編集部 インターネットにありながら、限られた人にしか見ることができないクローズドな世界は、SNSの特徴の1つですが、その意義はどこにありますか。

笠原 安心感ではないでしょうか。自分を知っている人が自分を紹介してくれるので、その人に迷惑をかける訳にはいきませんし、知り合いがいないと入ってこられないということは、悪意のある人が入ってくる可能性が少なくなる。それは、自分がSNSを利用するときの安心感でもあるんですが、誰かを紹介するときにも意味があることですよね。

編集部 人数が増えていくことで、その信頼が揺らぐという面はありませんか?

田口 先ほどもちょっとお話したんですが、最近匿名性が増している気はしますね。1人で複数のIDを持って、捨てアカウント的に使う人も増えてきました。

笠原 1人で複数IDを取得することは、禁止してはいるんですが、完全に排除するのは難しいですね。

田口 本来のSNSは、信頼関係が築ける人たちのネットワークを広げるのが目的ですよね。そういう意味では、ちょっと微妙な時期にきているのかなあという気はします。

笠原 こちら側でも、随時対処していく必要があると感じています。やっぱり実社会と同じように、実名で利用してもらうほうが好ましいですね。

田口 ただ、今までのネットでのコミュニケーションでは、ニックネームやハンドルを使うのが当たり前の世界だったので、必ずしも否定されるべきものではないのかもしれません。今後、どのように進むのか、興味があるところですね。

ん〜、早くも成熟期を迎えてしまったということなのか。この記事は2004.08.01だから、今現在ではもっと事態は混沌としているだろう。ただ、マイミクシ一覧や紹介者などをたどると実名でやっていなくとも正体をつかむことができる可能性もあるし、不特定多数のオープンサイトよりはリアリティがあり、安心感はあるとは思う。

使い方によっては、有益なことも多い。私の場合、このサイトでは全てを公開し、実名顔出しでやっているので、mixiでもあまり変わらない。しかし、このサイトよりも、もっとディープな面が出ていると思う。趣味や関心のあることなどが、如実に出ているからだ。2ヶ月たった今の時点では、名刺代わりにしか使えていないが、もっと使いこなすことで現実社会(くうねるあそぶ)で有益なことがありそうな予感はしている。


[2005.07.09追記]:
私と面識ある方で、mixiに参加してみたいと思われた方は招待状をお送り致します。
ご遠慮なくその旨を私宛にメールをお送りください。
佐山のメール→m.sayama@vivid-style.com

▼ コメント(8)

こんにちは!
私はネット上に本名は顔を晒すのにはかなり抵抗があって
(女性は結構そういう人が多いとおもう)
mixiはかなり躊躇してました。実際そうではなかったんですが。
しかし上のインタビューを読むと開発側からすれば、やはり違った方向へいってるなぁという感じなのでしょうね。
本当にすべて正直に書かないといけなければSNSがここまで伸びたかどうかは疑問ですが。

紹介という形を取るということは、紹介者に迷惑かけたくないので、ハンドルネームでやってるとしても暴言・誹謗中傷をする人はぐっと少なくなるでしょうね。
SNSも増えてきてますが、数年後はたしてどれくらい残ってるのか興味があります。(これはホスティングブログサービスも一緒)

関係ないですが、goronさんのmixiプロフにカラオケとあったんですが、
どういう歌をうたうんだろーと気になりました。
なんとなくカラオケとかいかない、ピアノバーでカクテル飲んでるイメージがありましたので(笑

私もmixiでは『炭坑節』ですから、あまり偉そうなことは言えないです。

ピアノバ〜?行ってみたい。(爆
「ピアノバーでカクテル飲んでるイメージ」ふむふむ、いいですねえ。
でも実態は、洋風より和風:バーより居酒屋:カクテルより芋焼酎:店より焚き火の前。単なるオヤジじゃないか!
でも、焚き火の前でバーボンが似合うオヤジになりたいかもです。

カラオケ18番は『雨上がりの夜空に』。(20年くらいず〜っと。)これを清志朗風に歌おうとするのですが、和田アキ子風になってしまいます。

あはは、そういえばgoronさんのお写真見る限り、
ピアノバーよりも焚き火でバーボンのほうがしっくりくりかも!?

「雨上がりの夜空に」大好きですよ。
エントリーにも書きました。
http://bombgirl.sakura.ne.jp/sb/log/eid166.html
和田アキ子にはなりませんが(笑

goronさんを知ったのはつい最近なのに、そっくりなお客様がいるのでなぜか前から知っている気がしてます。
その方は全然お酒のめません(笑
駄文失礼。

年齢バレバレじゃないですか?雨上がりの女性5人衆。(爆
いい歌ですよね。「雨上がり」。RCは大学の時にはまっていました。

私が大学2年生の時だったか、学園祭にRC がやってきて、耳をつんざくようなPAで、いきなり『いぇ〜〜〜!理科の実験やってっか〜〜!』って、会場全員こけてしまいました。
それ以来、サービス精神旺盛な清志朗が大好きになりました。

こんばんわ!
みかんの家の住人です!
ミクシィー、入った当初はハマりにハマり、仕事が手に付かず、どうしたもんか、といった時期もありましたが、近頃ようやく適度な付き合い方ができる様になりましたです。(笑)

ミクシィーにしても、ブログにしても、とてもすごい可能性を秘めているなあ、と思う今日このごろです。
ネット上でのやりとりではあるけれど、いつかは出会うかもしれない、リアルな社交場と考えると、とても自分の視野が広がる、最高の勉強の場所の様に感じます。
そして皆さんが書かれる文章の中から、しっかりとその人の人間性がかいま見れるのも不思議です。
いつかはミクシィーやブログで出会った人すべてにお会いしてみたい、と思う私です。

こんばんわ。りんさん。
そんなにはまりましたか。美串。

ググっているときに、ネット社会での「実名性・匿名性」という重いテーマを論じている文にも出会いました。
これは、お国柄の違い、文化の違いと言いきる文章にとても共感しました。
日本人は正面切って言いたいことを言わない。(陰では言うが)
自己責任をベースに育てられた欧米人(正しくないかもしれない)は、実名顔出しで議論をする。
この違いが、欧米人がほとんどリアルにネットで歩くのに対して、日本人は匿名で行く。

何が言いたいのかというと、ネットでも実社会でも、顔を見て話できないようなことは、特にネットでも言わないことだそうだ。大いに共感。当然ですよねぇ。

だから、りんさんもネットで知り合った人全員にあってみたいと思うのでしょうね。私も会ってみたいですよ。ほんとのりんさんに。(大爆
失礼しました。

20代後半とだけ言っておきますわ!
「雨上がり」有名じゃないですかね??
RC知らなくてもこの歌は知ってるという人、結構いるような。
ちなみに「同期の桜」「月月火水木金金」も歌えます。
オジサマ、ジジサマたちとカラオケアフターすることも
多々あるんで必然的に覚えました!

ネットで知り合った人に本当に会ってみるなら・・・
やっぱり酒好きが必須条件です(笑
でも実際会うことはこれから先もないような気がします。
自分の中ではネットはネットの中で完結したいというのがあるかもしれません。
ブログで書いてることは本当のことだけど、やっぱり作っている自分もいます。
それを見破られるのが怖いので「あってみたいなぁ」というのが無いのかも・・・
ネット(ブログ)の中の私はかなりいい子ぶってます。
リアルはネットの100倍暴言はきますので、ブログ読者がゼロになる可能性大(笑

めけさん。失言お許しください。orz
>結婚したり、仕事やめたり、
のくだりで、20代なんだあと確信していたのについ・・。(笑

私はネットで知った方と会うのに、最初とても抵抗感がありました。
もうかれこれ5年ほど前になるのですが、はじめて会うのに「やあやあやあ!」と垣根がなく、普通に会話が始まっていく。
とっても不思議でした。違和感を覚えたものです。
それとか、ネットで見ましたとはじめてお会いした人が、私自身より、私のことをよく知ってる。(爆
はじめは気味が悪かったですね。
今はもう慣れました。

実際お会いすると、ネットコミュでは活発なのに物静かだったりシャイだったり。
または、ネットコミュのまんまだったり。
その逆って、今まであまり経験ありませんねぇ。
めけ。さんみたいに、ネットよりも現実社会の方が雄弁って。(爆

私もブログ書くときは、作っていますよ。創作活動だと思っています。(笑
でも、どんなに作っても胸を大きく張ってみても、やっぱりばれちゃう。
私は椎名誠の自然体が大好きですねえ。仲間達も含めて。
本の中では、雄弁(あたりまえか)なのに、TVなんかで出てくると、物静かでシャイなおぢさん。

今では、ネットコミュでつながった友人と遊ぶ方が断然多い感じです。

でも、私のネットとの関わり方と、めけ。さんの関わり方って違うのかもしれないですね。
私はSOHOなので、saruko以外の人に会わない日もしょっちゅう。
現実社会での人間疲れがほとんど無いですから。

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