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最近、マスコミでリフォーム業者の悪徳詐欺事件が盛んに報道されています。基本的に設計者と工事業者は立場が違うのですが、同じ業界に身を置くものとして怒りを感じています。また、判断能力に欠けた老齢者などを狙った詐欺行為も報じられています。今日の報道では、身近なヘルパーさんや民生委員らが気がついて未然に防いだという事例もありました。しかし、そのような身近な方が未然に防げた場合は良いのですが、それを知っていながら防げなかった場合のヘルパーさんや民生委員らへの責任追及はしないでほしいともありました。それが本来の役割ではないので当然のことだと思います。身近にしっかりとした判断ができる人やプロがいる場合は相談した方が賢明です。


以前、オープンハウスでお会いしたお客様から、是非一度今のすまいを見てほしいという相談がありました。後日あらためて訪問し、悩みを聞きました。
その悩みとは、

  • 訪問販売業者が来て、耐震的に問題があるので調査した方がよいといわれた
  • 本当にそうなのかどうか見てほしい
  • プロの方から見て本当ならば、耐震補強ではなく建て替えしたい
という内容でした。
ざっと、内外のチェックポイントを見て回りましたが、全体的に古いものの、今すぐ手当てしなければ危険という状態ではありませんでした。正直に、すぐに建て替えをお勧めするような状況ではないことをおはなししました。奥様は建て替えを望んでいる様子でしたが、お母様が自分が元気なうちはこのままで良いともおっしゃられていました。『その耐震補強を勧める業者が来たら、知り合いの建築家に見てもらっているので結構です。』ときっぱり断るようにしてくださいとお伝えしました。おそらく、素人を狙った詐欺まがいの行為でしょうから、『知り合いに建築家がいる』と聞いただけで近寄らなくなると思われました。その後、それに関する連絡がありませんでしたので、業者は敬遠したのだと思います。

このケースも、危険性を強調し、無意味な耐震補強で儲けようとしている業者に目を付けられたのだと思われます。この手の業者は、生活者の不安をあおり言葉巧みに誘導していきますので、注意が必要です。しかし、本当かどうかは基本的に素人では解らないことが多いのも事実です。


このような場合、知り合いの建築士に相談するのが一番良いと思われます。建築士は、依頼主の利益になることを優先して行動・アドバイスするのが基本ですから、それにつけ込んで建て替えを無理に勧めたりはしないものです。状況にもよりますが、詳しい説明もせずに建て替えを勧めるような建築士は疑ってかかった方が良いでしょう。知り合いに建築士がいない場合は、各都道府県に建築士事務所協会がありますので、そちらに相談してみる方法があります。神奈川であれば、神奈川県建築士事務所協会です。このような相談受付が本来の仕事ではないのですが、そこを突破口にどこに相談したらよいかを探ることはできます。

また、このサイトをせっかくご覧になっていただいているのですから、私に相談することも可能です。首都圏であれば基本的に訪問することは可能ですから相談してみてください。その際は、交通費と実費人件費程度で相談を受け付けます。以下に実費人件費を明示しておきます。
佐山の人件費(一級建築士取得後18年以上)〜62220円/日。よって7777円/時。
ですので、1時間あたり5000円を人件費として設定したいと思います。
おそらく、お話を聞いて建物をチェックして2時間程度ですので、10000円+交通費程度で相談に乗れると思います。その後、資料作成などをご希望される場合はその費用の実費も見て頂けると助かります。訪問してきているのが悪徳業者だったとしたら、私の名刺を見せて『知り合いに建築家が〜』と話せばそれだけで効果が上がるかとも思います。(人件費は、東京都建築士事務所協会の資料によります)

費用をいただくのはどうかとも思いましたが、タダこそ怖い話はないとも言えます。そこに営利が存在するから無料にすることができるのです。この相談には、これ以上こちらの下心はありませんという意味をお伝えするにも費用を明示した方が良いと判断しました。


世の中には基本的に「うまい話」はありません。そして、業者の話の中に「恐怖感」や「不安」をあおるような言葉が出てきたら疑ってみることが大切だと思います。しかし、本当に不安を感じたら、知り合いの建築士、建築士事務所協会、あるいはお住まいの行政の「建築指導課」に問い合わせてみましょう。どこかが、解決のきっかけになり事件を未然に防ぐことができると思います。また、契約してしまった後の相談は、最寄りの消費者センターが相談窓口になります。

建築士をうまく使って詐欺を未然に防いでいきましょう。そんな声にしっかり応えるのも我々の大切な仕事だと思っております。ヘルパーさん、民生委員さんもどうぞひとりで抱えずに身近な建築士をうまく使ってください。

▼ コメント(4)

うちにもしょっちゅう、さまざまな業者がやってきます。
外壁の塗り替え、深夜電力の設備検査、下水配管の検査云々・・・。(まったくどこ見て営業やってんだ?)
いずれの業者もあたかも市役所の委託を受けたかのような口上を述べたり、不安をあおったり。
挙句の果てに強引に敷地内に侵入を試みるようです。
その時一言「うちには親しい建築家の方がいますのでけっこうです。」
これで相手はすぐに退散するそうです。
この一言、本当に効果テキメンですよ。
(背後で大きな黒犬が野太い声で吠え立てているのも、かなりプレッシャーかもしれませんが・・・。笑)

Tolaさんのところにも来ますか。新しいのに。(笑
地域的に多いのかとも思います。ある程度成熟した住宅街では、住宅ローンも終わっていることも多く、可処分所得が多いと見るのでしょうね。逗子鎌倉から茅ヶ崎にかけては特に多いのかもしれません。

ちょっとコメントで気になったのは、「深夜電力の設備検査」。壁に付いているメーターを見て仕掛けてくるんでしょうか。ちょっと不思議です。
追い返して良いものか判断に困るようなことであれば、こちらに相談して頂いて構いませんよ。私の方で業者に確認して、しかるべき正しいものであるかどうか判断しますから。
でも、そんなのって、こっちか工務店の方から連絡するものですよね。突然、業者がやってくることなんてないですよ。

あっ、言い忘れましたが、これからもどんどん私をダシに使って追い払ってください。(笑

「深夜電力の設備検査」は、1年程前、突然やってきました。
なにやらバッチのようなものをちらつかせ、「お宅、深夜電力使ってますよねぇ!」と始まり、「電気代を節約できるので、室内の設備を見せてほしい。」と言って屋内に入りたがったそうです。
家人が、「深夜電力は使っているけど、室内に特別な設備なんかないから、けっこうです。」と言うと、「えっ、あるはずです!」と引かないので、「節約にならなくても構わないからけっこうです!」と言ってやっと帰っていったそうです。
なんとも雰囲気が怪しかったので、拒否したのですが、その後一度もやって来ません。
これからもたくさん使わせていただきますので、よろしくお願いします。(笑)

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