7月末、ソーシャルネットワーキングサイトのマイミクシィ::もそさん::に『女性から見たオタク論を聞いてみたい』と質問をしました。すると、コメントレベルではなく、ブログ『今日の覚え書き』で返事をいただきました。
以下、一部抜粋。
それじゃ、自分と一般的なイメージで語られる所の"おたく"の違いってなんだろう?と考えて見た時、こんなところかなぁと思いました。
* 服装はまぁまとも
* 挙動不審ではない
* 自分の得意な話題にだけ固執しない
* 今、一般的に知られているネタは押さえている
この辺りを押さえていれば、結構なヲタでも、イタタな扱いは受けないと思うんですけど、どんなもんでしょうかねぇ。
結局のところ、TPOに応じる力さえあれば、オタクではなく"知識のある人間"として扱ってもらえるのではないかと。
もそさんの究道家とオタクのボーダーラインをお知らせ頂きました。この基準言い得ていてなるほど!と膝を打ちました。
ということで、私のプチ夏休みの一片を振り返り、オタクについて再考してみたいと思います。
●2005.08.07『ラーメンズ・プレゼンツ Golden Balls Live』観戦(天王洲)
私のパートナーsarukoの道楽にお供。多摩美出身の異色コメディアン。TVでコントはやらないらしい。しかし、CFには出ている。ちと引いて見ている私が勝手に思うに、知性派小林賢太郎 vs 野獣片桐仁のマシンガン「まとずらし」トークがどうやらある特定の層をとらえて放さないらしい。ちょっと否定的には「インテリ層に受けるコント」とも言われている。
今までの基本は二人舞台。しかし、今回の公演は全篇クインテット。どうにも小林賢太郎がいかりや長介、片桐仁が志村けんに見えてしまった。ドリフで育った私としては、舞台から3列目中央席で心地よい彼らの戦略にまんまとはまっていった。
この客層を特定するラーメンズなるユニットのフリークはオタクだろうかと開演前に考えてみた。観客の約7割は女性。男性は彼女に引きずられて来ている感がつよい。年代は20代から30代後半がメイン。季節柄、浴衣できている女性もあり、華やかでファッショナブル。見た目だけではオタクはいない。どうやら、フリークとオタクは違うらしい。(上の写真は今回の舞台デザイン:片桐仁デザイン)
●2005.08.09〜10『真空管オーディオのオフ会』参加(乗鞍ペンションウィンズ泊)
私の道楽のひとつ、真空管オーディオを積極的に仕掛けている『ザ・キット屋』店主とのオフ会に参加。15:30頃ペンションに到着する。ザ・キット屋店主の大橋さんはすでに到着済み。ペンションのリビングでノートパソコンを開きなにやら打っている。18:00過ぎほぼ参加メンバーがそろう。大橋さん以外は初対面のかたがた。ザ・キット屋さんはネットでの通信販売が基本なので、皆さんオーディオマニアと同時にネットフリークでもあるようだ。
真空管オーディオを共通項として多種多様なかたがたが集まっていた。NHK交響楽団の演奏家、弁護士事務所の代表弁護士、本の編集長などなど。一般実社会生活で活躍されている方ばかり。
一本30万はするウェスタンの300Aはいいとか。アルティックの403はもう手に入らないとか。飛び交う言葉の半分は理解不能。これを興味のない人の前で展開するとオタク扱いされるだろうが、その場は皆真空管の究道家。ふんふんにこにこわ〜いわい。
ここのペンションオーナーも実は真空管の究道家。しかし、それだけではなさそう。下の写真を見る限り、木工手作りスピーカーは勿論、薪ストーブ(今は絶版、ダッチウェストのカナディアン)、ダッチオーブン(Lodgeの本格派)、現代風かんじき、マイルスディビスなどなどと私と同種のにおいを感じてしまう。
この真空管に群がったメンバーの真空管以外の話がこれまた面白い。ほぼ全員40代。仕事に関してはその道のプロ。それぞれの仕事のこぼれ話にはリアリティに裏付けされた説得力がある。そして、それぞれの話を真摯に聞く。すご〜〜くマニアックな切り口のオフ会にもかかわらず、まったくオタク臭はみじんもない。(笑)バーチャルなネット社会だけではなく、現実社会で大人の会話を楽しむことができるとオタクではなくなってしまうのだと実感。
●2005.08.11〜『おたくーWikipedia』にて総論をおさらい
私のアンテナにフィットしたオタク論を以下に。
主に各種メディア側から提供されたサブカルチャー媒体に、通常ならざる興味を抱き、それらを収集したり、詳しく知る事を重要視する傾向が極めて強いとされ、往々にして世間一般の価値観・流行に関心を示す傾向が減じられる事から、それらの一般的価値観や流行等に関心の強い向きからは「スタイリッシュではない」や「異様である」と評される事が多い。反面、当人らにしても流行や一般的価値観に否定的な見解を示すことも多く、特に共通の話題も欠く事から、双方の交流は滞りがちとなる現象が見受けられる。ぴたっとマトをえた総論と感心する。
オタクはある自分の好きなことにはすごく詳しいが周りのことを全く知らない。マニアは好きなことに詳しいということだけであるといえる。なるほど!。一般生活を健全に行っている上で詳しい世界を持っているだけではオタクとは言わない。
その中核となっているのは20代前半から30代までの独身男性であるが、近年ではこれら中核おたく層が結婚適齢期に到達し、家庭を持つ段階でおたくを「卒業」してしまう傾向も見られるという。面白い視点。結婚しいる男性にオタクは少ないらしい。おおいに合点がいく。
下の写真は、ジャズ評論家(他の顔もあり)植草甚一(1979年故人となる)さん。雑貨、レコード、本などのコレクター。私は粋な趣味人とみている。奥さんもいたのだからオタクではない。しかし、深い各種のコレクションからにじみ出るジャズの評論は単なるレコード紹介文とは違いエッセイとしても楽しめる。まさに「ある道を究める者=オタクではない」を体現している。プロフィールを見ると、早稲田大学理工学部建築学科中退。なんだかうれしいやら。私も建築の道を究めようとしているが、このブログで建築バカを演じてみても、見向きもされないだろう。だから、私のアンテナにフィットする周辺事情をあからさまにして、建築オタクではないことを暗に。(笑)
植草甚一さん、私の好きな「粋な趣味人」のひとりです。
いろいろな視点でオタクを見てみましたが、「結婚している人にオタクはいない」。
これはなかなか言い得て妙な尺度だと思いました。
従って、もそさんはオタクではないようです。(爆)<女性には適用出来ない?
というわけで、『今日の覚え書き』のもそさんにトラックバック!
結婚している人にオタクは居ない、これって面白いですね!
私は「オタク」の定義の一つに、共通の趣味を持っている人以外とは接触しない(できない?)が、あるとも思っているので
結婚している
↓
人と関わりあいをもって夫婦関係となる
↓
夫婦となれば周囲のいろんな人とも関わりあいを持つ
↓
自分の世界以外の多人数とも接触
↓
オタク脱却
なのではないでしょか?
それにしても現代は、一つの言葉が様々な意味を持ちすぎているような気がしないでもないです。価値観の多様化ってヤツなのかなあ。
小林堅太郎じゃないの!
小林賢太郎なの!
かしこいの!かたくないの!
同じ趣味のオタクカップルが結婚したらどうなるのん?
>オタク脱却なのではないでしょか?
そうなんですねえ、きっと。私もそう推察します。
>一つの言葉が様々な意味を持ちすぎて
オタクという言葉が一般化したのでしょうね。一般化するといろいろ勝手な解釈で使い始められる。
一般的にオタクって男の人をいうですが、女性の場合は『腐女子』っていうんですってね。Wikiではじめて知ったですよ。
>同じ趣味のオタクカップルが結婚したらどうなるのん?
会いたくないね。あんまり。
>かしこいの!かたくないの!
あたまわるくても、やわらかくても、いいじゃないの。
名前は大切なんだから!
とのクレームがありましたのでなおしておきますた。
ラーメンズの親方は、小林堅太郎ではなく小林賢太郎です。
でも、いかりや長介みたいでした。(逃げろ!)
すみません、モニターの前で吹き出しちゃいました!<かしこいの!かたくないの!
goronさん、逃げ切れるかな(ぼそっ)
小林賢太郎様はもう、わたしの王子様ですから〜
ポワワーン(*^o^*)
ヲタとかマニアや専門家とかの線引きって、非常に難しいと思うんですよね。
嫌よ嫌よも好きのうちとかいいますが、好きでやっているからこそ狭く深くにもなると思うんですよね。
職業としているか趣味としてやっているのか。表に出すか出さないか。それだけでも印象が違ってきます。
電車男に出てくるヲタ像は、極端な映像化だとは思いますが。
狭く深くのどこが悪いんだという気持ちもあります。
オタクという言葉が流行り始めたころ、何か特定のことを深く追求するのは恥ずかしい・・・オタクと呼ばれてしまう事を避けたがるような風潮もありましたが、ハンコを作るにはうってつけの風潮だったのかもしれません。
言葉・・・特に流行語は良くも悪くも大きな力になってしまったりもします。
どこかで区別をするってのは、人間が生まれ持った野生の心理なのかもしれません。
拡大解釈してしまうと、有史以来自分と同じか違うかで色々な争いが起こっているわけだし、結局ここが人間の行き着く先なのかなとも思えてしまうのです。
マジレスすんまそ。
マジレスありんがろん。
>狭く深くのどこが悪いんだという気持ちもあります。
どこも悪くないと思います。その方が人間に深みが出ると思います。能あるタカは爪を隠す。現実社会では、有能な人は自分の能力をひけらかさずに生きていると思います。
バブルの時に、「私は誰々を知っている。あの人も知っている。この人なんか私のもの。」みたいに自慢する輩がいっぱいいました。そのたびにへえ〜すごいんだと思っていたけど、今ではその人達みんなどこいっちゃったの?って感じです。いろいろ教えられました。だからこそ、ホントに深い部分は自己アピールしないようにしてるんですね。やっぱり、嘘はばれちゃうし。謙虚さが大切。
今日の電車男、エルメスとオタクを天秤にかけて「仕事」と嘘ついちゃいけないよ。ホントに好きなら、オレはビックサイトに例の用事でいくから、ミュージカルは日曜日にしてくれっい!っていわないと。嘘はいかんよ。
>ヲタとかマニアや専門家とかの線引きって、非常に難しいと思うんですよね。
簡単だと思いましたよ。ずばり、本文でも書いてあるけど。
関心あることには詳しいけどそれ以外のことには無関心。そして、無関心なことには排他的。が、オタク。
関心あること以外も一般的に教養として身につけている普通の一般人。しかし、関心ある分野に関してはとことん深く知っている。これが、マニア。
一言で言うと、一般生活者と普通に交われるかどうかかと。
これを区別することに意味があるんじゃなくて、あいまいになってきたからなんでだろうと思ったから突き詰めてみたんですねえ。自分と同じ色かどうかを極めるんでなくて、オタクという社会現象はどういうことなんだと考えてみたくて。
だってさあ。「私オタクなんです。私にぴったりの家を設計してください!」っていうお客様が出てきたら困るじゃない。知っておかないと。(爆
あ、ごめん
ここの管理人含め、書き込みしていらっしゃる方々
みんなオタクかと思ってました。
コメント無いけど、塾長さんとかもかなり....汗
オタクでなくて、マニア
だったのね。
失礼しました。
爆
ラーメンズ行ってみたいなあー!
>みんなオタクかと思ってました
あははは(爆笑)
私自身もオタクかなぁと思っていたりするのですが、
そこまで一つのことに突き抜けていない、という感じもあります。
人より●●が好き、詳しい、っていう程度でオタクというのは、おこがましいような。
でも、そのぐらいの解釈の方が一般的のような感じもします。
あるいは、「マンガ、アニメ、活字、映画、ポップス以外の音楽、パソコン・・」などの分野が好きな人のことを言うとか。
そんな風にいろんな解釈ができる言葉だからこれほど広がるのでしょう
私はいっぱい結婚しているオタクっているような感じもします。
「日本のオタク四天王」らしい庵野秀明と結婚した漫画家の安野モヨコ「監督不行届」はおもしろかったです。
まず、服も着替えず、お風呂にも入らない。すげーです。
次回、ぜひラーメンズに行きましょう
「どうしてもっていうならいってあげてもいいけど」とか言われながら見に行きましたの。
これはもう、ラーメンズオタクになりたいぐらい恋しているのですが、
今回のステージでは上記の庵野秀明さんがつくった「エヴァンゲリオン」というアニメのネタがあったのですが、
私は見たことないアニメだったので、笑えなかった。
くやしい・・・
エヴァンゲリオンで、なんか顔からでてくるものがあるのでしょうか?
もう一回、追加公演いきたいな
そのためにはエヴァンゲリオンを予習すべきか?
長そうだしな・・
ドリフとはかなり違うタイプのコントです!
5人で、舞台でコントやったらドリフ・・じゃないでしょ。
美男子ばっかり(に、私には見える)だしさ
落語、SF、演劇等が好きな人にはおもしろいと思います。
私としては、なんでごろんはそんなに電車男やオタクに興味があるのか、不思議〜
コミュニケーションの方法みたいなところに違和感とか興味があるのかね〜?
そうねえ。あの番組のおもしろさは、ずばり『甘酸っぱさのハンスウ』です。オタクのお方は、アニメや漫画を主体に関心がそっちばっかりで、現実の恋愛なんてまったく興味なかったわけでしょ。だから恋愛スキルが全く欠如してる。いい大人になっても女性とまともに時間を過ごすことができない。ここが面白い。
電車男のやっているばたばたとした女性との接し方の試行錯誤は、私の場合だと、小学校6年生くらいの時に通過してるかもしれないんです。通過はしてるけどそれでオッケーって訳でもない。いまでもおそらく何らかそのような事態になったら、ドキドキするだろうけど、免疫がしっかりできちゃってると思う。
だから、電車男を見ていると小学6年生の時にタイムスリップしてしまって自分の記憶をハンスウしながら、電車を応援してしまうんだなあ。そんな頃って、とても純粋だから。一途なんだけどね。
『好きなんです!』と言えなくて言えなくて悩んでた当時を甘酸っぱく思い出しますねえ。いじょ。
実は
今ぞっこん惚れ込んでいるAKIRAさんがラーメンズをベタ褒めしているのでヒジョーに興味があるのですわー。
さるこさん今度誘って下さいまし。
なーるーほーどー
ぞっこんラーメンズファンのファンってことならたぶん大丈夫ですよ
決してインテリ?でなければ理解できない、というようなことはないです。
ただ、好き嫌いがすごく分かれるタイプの芸人さんだと思います。
ネットでよく見かけるネタは
http://knight.fcu.edu.tw/~d8828160/chiba.htm
http://www.geocities.co.jp/Playtown-Toys/3195/shinbashi.html
など。
おもしろい・・でしょうか
出遅れました。遅レススマソです。
お返しエントリありがとうございました。面白かったです。
極端な話、知識人との境目って「粋」であるかどうかなんじゃないですかねぇ?
どんなに賢くたって、無粋な佇まいじゃ台無しだと思うんですよ。
どこまでかっこつけられるか、外に意識を向けられるかが大事な気がしますねぇ。
ちょいと曖昧だけど、私の中では明確な差があったりします。
と言う訳で、私もバリバリのヲタにならないように気を付けているつもりなんですけど、どーかなぁー(苦笑)?
そそ、どうもトラバが届いていないようなのです(泣)。
お暇なときにでもビシッと飛ばしてやってくださると、とっても嬉しいです♪
>遅レススマソです。
おそれすすまそ?おそれすすまん?
どっちなんんだろうとしばしかたまる・・
「粋な佇まい」だいじですねえ。異性を意識し始めると身の回りを気にしはじめますですね。人それぞれ、感じるかっこよさって違いますけど、自分の色や臭いに敏感であることが基本ですかね。
バブルの時に一部上場企業のあるプロジェクトで通訳出来る建築家が必要ということになって、ある有名な小説家の息子の建築家を会議に呼んだんです。私も含めてサラリーマンだったので会議の参加者はみなスーツにネクタイ。その人だけ、ジーパンにデニムシャツ。頭は白髪交じりの50過ぎ。その人が帰った後、会議の年長者が『かっこいいなあ。あのひと・・』とぽつり。
いい年の重ね方をするとそれだけで格好良くなるんだなあと。
TB送ったのですが届いていませんねえ。今さっき、第2発目を発射しましたがとどきますでしょうか。