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真空管プリアンプ比較試聴体験記を経て我が家にSV-722(マランツタイプ)by Sunvalley がやってきた。このページはその真空管プリアンプの製作記録と製作後約2ヶ月経過の感想である。あくまでも私感ということを前提にご覧いただきたい。

私がプリアンプキットに望んだことは以下の点。

  • つくる喜びと苦しみを愉しみたい
  • 過剰投資せずに真空管の音を愉しみたい
  • また、既製品を手にする以上に愛着を感じたい
  • 自分が製作過程に参加することで、少しでも投資を抑えたい

そして、試聴の結果私がSV-722(マランツタイプ)を選択した理由は以下。
  • 現システムよりも音をクリアにしたい
  • まるでライブハウスにいるかのようにジャズを聴きたい
  • 音よりも音と音の間に存在する空気を感じ取りたい
  • 音源に詰まっているディテール(主に空気感)を感じ取りたい

※SV-722導入前のシステムは以下。


以下、製作ドキュメント

▼[2005.06.19 14:40]
050813-1.jpg梱包を解く。丁寧にパッケージされている。どのくらいで完成出来るのか。心がはやるがまずは気を落ち着かせる。

▼[2005.06.19 15:00]
050813-2.jpg部品チェック開始。開包後一番上にあるバージョンアップ部品とその説明をまず読み込むこと。さらに、マニュアルをざっと目を通し、全体像をつかむ。少々気が遠くなる。

▼[2005.06.19 15:40]
050813-3.jpg早速組み立て始めるが、マニュアルにざっと目を通しただけなので部品名と実物がいまいち合致しない。よって、部品リストと部品を全て確認するところに戻る。全パーツリストとパーツを確認。

▼[2005.06.19 17:00]
050813-4.jpgいよいよハンダ開始。昨年1月、現行システムのキットを組み立てているのでハンダは前回よりもうまくなった。しかし、悲しいかな老眼が進んでいるのか手元がちらつく。また、どうしても部品リストと合致しなかった抵抗(R31)茶緑赤金をネットで調べる。すぐにわかる。ネットの存在は今の生活では大きなもの。巨大な図書館を持っているようなものと感心。

▼[2005.06.19 19:00]
050813-5.jpgまず、分割基盤のひとつが完成。プリント基板は製作が簡単。マニュアル通りやれば問題なし。昨年ハンダごてをにぎったのはなんと30年ぶり。もともと電気をいじるラジオ少年ではなく、プラモデルやのこぎりをいじる工作少年だった。なので電気的理解度はまるで無し。目に見えない電気はあまり得意ではないのが正直なところ。

▼[2005.06.19 21:30]
050813-6.jpgフォノ・イコライザー部分の基盤が完成。今回このプリアンプにした理由はこの部分の聴感上の指向性が私の嗜好にマッチしたのだ。全体を音の固まりで聞かせる(コンサートホールの中央列)にいる感じではなく、ライブハウスのかぶりつき(ミュージシャンの汗が飛び散るのさえ見える場所)で、5感がフルに刺激されるのを好む私を射止めたのは、このフォノイコライザーだったのだ。

▼[2005.06.20 04:45] 22:00~03:00まで中断
050813-7.jpg食事と睡眠を取った後、03:00から製作再開。集中力が切れる前になんとか仕上げたいのだ。フラット・アンプ部の基盤完成。このプリント基板の製作は特に難しくなく制覇していく。

▼[2005.06.20 05:00]
050813-8.jpgいよいよ手配線の作業に突入。プリント基板と違い一本一本丁寧にハンダ付けをしていく。ここで集中力が切れる。続きは翌日へ持ち越し。zzzzzzzzz

▼[2005.06.20 13:00]再開
050813-9.jpg気が遠くなるような手配線の作業がつづく。一本一本接続箇所を確認しながら集中力を高めていく。

▼[2005.06.20 16:30]
050813-10.jpgプリント基板よりもハードルはかなり高いが達成感はまるで違う。大きな問題を前にしてクリアしていく制覇の魅力はとても大きい。

▼[2005.06.20 18:20]
050813-11.jpgロータリースイッチ部分の予備配線。マニュアルと部品を前に遠い目になる。しかし、線の長さを指示通りに切りそろえハンダを開始すると意外にスムースに事が運ぶ。(気をよくしたのがいけなかったか後日ここまでバラシ戻ることになるのだ・・・この時点では気づかなかった)

▼[2005.06.20 19:30]
050813-12.jpgパーツ関係の予備仕事は全て完了し、最終段階へ突入。電気関係にうとい私は、黒(-?)が裏では全部つながっていることに小さく驚く。へえ。黒ってみんな最後は同じところでまとまってるんだあ。へえ。21:45にていったん休憩。

▼[2005.06.21 00:30]
050813-13.jpg休憩を挟み、作業開始。予備加工した全てのパーツを手配線でつなぎ合わせて行く。マニュアルとにらめっこしながら慎重にハンダを付けていく。梱包されていた各種リード線をマニュアルよりも2〜3mmずつ長くカットしていたせいか、最後にリード線が4cmほど足りなくなる。昨年の残りから同じ太さ同じ色のものを探しだし結線。マニュアル指示通りにきっちり長さをカットするのが肝心のようだ。

▼[2005.06.21 01:30]
050813-14.jpgほぼ見た目は完成した。電源を入れて、マニュアルで指示している場所の電圧を測定。まあまあ近似値。へんな煙も臭いもないので、電源を入れっぱなしにしてエージングにかかる。

▼[2005.06.21 02:00]
050813-15.jpgざっくり延べ24時間で完成。この時点で音を出す気力もなく製作終了。zzzzzzzzzz

▼[2005.06.21 07:00]
睡眠もそこそこに起き抜けに音を出す。Line端子では無事に音が出る。しかし、肝心のMC入力では音が出ないのだ。ぼーっとしている頭で考えてみてもなんだかわからず。仕事の関係でしばらく手を付けられない。まあ、そのうちしっかり見直そうと終了。

▼[2005.06.25 10:00]
仕事の合間をぬって開腹手術。よ〜〜く見るとMCトランスの一部に結線していない部分を発見。な〜〜んだ!とマニュアルのチェックミス。集中してやっていたのだが、見落としがあったのだ。SV-501SEの時は全くミスがなかったのだが今回はマニュアルの見落とし。その部分をしっかりハンダ付けしいざ音出し。
ん?音は出るには出たのだが、左のチャンネルだけでない。いろいろいじくってみた。どうやら、MCポジションとMMポジションの中間地点でロータリースイッチを止めると左チャンネルからも音が出た。しかし、左チャンネルだけ少し音が痩せている。ロータリースイッチまわりをじろじろ眺めるも原因がわからず。キット屋さんにSOSのメール。
即刻、ロータリースイッチまわりの接触不良が考えられますと写真付きで返信がある。この後、また仕事の関係で手を付けられないので、時期が来るまで待つことに。

▼[2005.07.11 16:12]
キット屋の大橋さんから『その後いかがですか?』と陣中見舞いのメール。仕事が立て込んでいてそれっきりなのですと返信。しかし、かる〜〜く背中を押されたことと、仕事の見通しもついたこともあり、暗くなって再度開腹手術を断行。
ロータリースイッチを取り出すところまでハンダをはずしていく。造るのと違いばらす作業もかなり根気がいる。再度同じハンダをしなければならないのでしっかりと状況を頭にたたき込みながら進む。

050813-11.jpgロータリースイッチを取り出す。こいつの接点不良があるかもしれないとのアドバイスだったので、こいつも全部ばらしてみる。ばらしてしげしげと眺めていると、ハンダ不良を発見。一見、ハンダがついているようなのだが、触ってみるとくっついているだけで付いたり離れたり。中間ポジションでかろうじてそれが接触していたようで、音やせの原因も特定出来た。こいつをしっかりハンダ付けして音だし。

ばっちり。
これで狙っていた『音際のシズル感がたっぷり』の音が出てきた。以前の様に大きな音でなければ空気感のディテールが感じ取れないということもない。
良好そのもの。
いろいろアナログ盤をとっかえひっかえ試していた。ビル・エバンスのワルツフォーデビーを聞いていると、ふいに誰かに呼ばれた気がしたので思わず振り返ってしまった。音量を絞り、家人の気配を探るも呼ばれた様子は無し。実は、ワルツフォーデビーのクラブ内の誰かの声に反応してしまったらしい。それくらい音量を絞ってもリアルな空気感が出ていたということなのだ。一人で苦笑いした。


2度ばらして再構築。既製品を買ってきておかしなところがあっても自分で手を入れることはできないだろう。キット屋さんの手ほどきを受けながらではあるが、再構築するたびにアンプが自分のものになっていく。負け惜しみに聞こえるかもしれないが、できの悪い子ほどかわいいということを実感している。
キット屋さんのサイトのバナーに「もの作りの素晴らしさをひとりでも多くの方に!」とある。「この世で一番素晴らしいオーディオをあなたに」ではない。お金を出せばいくらでも手に入れられる素晴らしいオーディオではなく、作る喜びを通じて愛しんでいくオーディオ。工作少年だった頃、故長岡鉄男さんにも教えられた。『「自作」はローコストと高音質を両立させる手段』だと。今の建築設計の仕事も含めて、作る喜びから本質を追求していきたいというのは私のサガのようだ。


役者はほぼそろいつつある。次はセッティングでもう少し自分の嗜好に合わせてみたいと思っている。実はセッティングに関して、石井式オーディオ理論を読み返していたら大きな発見をしたのである。それを知って現在の音の低域にやや不満がある部分を改善出来そうなのだ。
その試行錯誤は次回に。

▼ コメント(37)

SV-772、美しいですね。
マッキントッシュライク(アポーではない)・・・ってか当時の流行なんでしょうかね・・・な落ち着きってか。

パーツ・モジュールの違いはありますが、自分が製作の一過程を担うっていうのは、とても有意義なことなんだと思いますですよ。

DL103はDENON(昔はデンオンだったですが、今はデノンだそうで)ですね。
わたくしはShureとオーディオテクニカのファンでしたが。

>SV-772、美しいですね。
シンプルな美しさです。何も足さない何も引かない。
Less is more。(ミース・ファン・デル・ローエ)
モダン・デザインの基本ですね。

プレイヤーはでんおんです。(笑
シュアーのタイプスリーとオルトフォンのVMS20Eでした。高校生の時。

今になって当時のリベンジをやってます〜。(爆

 僕も今年SV-722(マッキンタイプ)を作り、以下の様な構成でJAZZを
聞いています。CDP/ model2/ SV-722/ SV-91B/ S3/5。
お仕事をされながら722をご苦労されながら楽しまれながら
作られたところが良く伝わってきます。
僕も去年30年ぶりくらいに半田ゴテを握り、無謀にもSV-91Bを作り、引き続き722を今年作りました。
 僕は機械屋さんですので、目に見えない電気はやはり苦手で、最初に電源スイッチを入れる際の、緊張感とドキドキ感は相当な物です。しかし、最初に音が出たときの感動は何にも勝る物です。
 本職では自分の手で物を作る事が殆どなく、物を作る喜びを思い出す良いチャンスであると感じています。
 
LPでエバンスのワルツフォーデビーを聞かれたそうですが、CD版COMPLETEの方が、当日の演奏順番通りでありライブ感がよりあり、また、3人の楽器のバランスも取れている様に思います。
 真空管プリのおかげで粉っぽくもなく、お勧めです。

 真空管プリアンプの比較視聴のなかで、グレートジャズトリオのビレッジバンガード ライブ VOL2を聞かれていましたが、VOL2は僕も大好きなLP一枚です。722のエージングが進むと、トニーのバスドラがたまりません。

  それでは。

濱さん、はじめまして。
>僕も去年30年ぶりくらいに半田ゴテを握り、
御同輩でしょうか。うれしく思います。
システムを拝見する限り、大橋さんの策略にまんまとはまっておられますね。^^
スペンドールでJAZZ聞いてみたいですねえ。深々と鳴るって感じですか?実体験がないもので。

先日、ウインズさんのところで、樽SP、村瀬さんのALTEC403標準箱をいろんなアンプで聞いたんですが、ギリッと臨場感あふれるシャープな音(<私好みの)も良いのですが、深々としかも浸透力のある音っていうのもいいなあと思って聴いてきました。
で、A7でヨーヨーマを深々と鳴らしてみたいといろいろやっています。

>最初に電源スイッチを入れる際の、緊張感とドキドキ感は相当な物です。
はい。そのとおりです。私は目をつぶってえいっ!って。(笑

>当日の演奏順番通りでありライブ感がよりあり
そうですか!早速。また、振り向いてしまいそうな・・・

>722のエージングが進むと、トニーのバスドラがたまりません。
やっぱり慣らし運転進むと変わりますかね。ずいぶん。
トニーのバスドラは私も音の空気感を確認する基準になってます。
まるでふとんたたきで優しくふとんを叩くような音とも言えない音が聞こえるかどうか。システムによって聞こえ方が全然違いますよね。カーオーディオでは絶対聞こえてこない音。
熱くなってスティックがぶつかってしまう音なんか聞こえてくると、まるでライブハウスで観ているかのような感覚になります。

今後もいろいろ教えて下さい。コメントありがとうございました。

完成されたようでご苦労様です。
アノ後 店主日記で記載されたとおり、ペンションで聴いた相性と
拙宅での相性が異なり、SV38Tではなく、SV63を購入することに
なりました。

その節はお世話になりました。是非、聞き比べも参加したかったのですが、打ち合わせがあり帰ってきてしまいました。
>SV63を購入することに
そのようですね。どっしりとした感じで鳴っているのでしょうか。また、機会がありましたらぜひ聞かせてください。

そうですね。お帰りの後、トニーウィリアムスと辛島文雄さんのアルバムがあってかけました。すんません。思い出せませんで。
そうして聞き比べののち、ウーハーボックスの吸音材変更をお手伝いいただいて敢行。
そうしたら、締まった、ウッドベース(コントラバス)の胴鳴りがきちんと分離してリアルに鳴るようになったんですよ。ツイーター位置も修正して。
お聞きの際にはヴェロダインのサブウーハーも鳴っていて、20ヘルツあたりまでフラットであったのですが、お気づきになりましたか?
来年参加されるようであれば、それに63を加えた音を聴いてみてくださいね。
きっとJBLのスーパーツイーターも新たに加わっているかと思います。

>吸音材変更
材質の変更ですか?それとも量、配置でしょうか?

>そうしたら、締まった、ウッドベース(コントラバス)の胴鳴りが
中域に命をかけているのかと思いました。

>お聞きの際にはヴェロダインのサブウーハーも鳴っていて、
はい。演奏者が配置につく前の靴音なんかもリアルに聞こえそうでした。スーパーツイーターを加えるともっと低域のリアル感が増すのでしょうね。

吸音材の変更です。
低域まで吸音するという戸澤式レゾネーターをKT90さんに
お手伝いいただいて入れていたわけです。
詳しくはaidio fanのtackさんのサイトアイコンを押して頂ければ
KT90さんのご感想ともどもレポートしております。

KOBAさん、「もう上がり」って書いてましたね。
これからはソフトの充実と音楽に没頭。とも。
しかし、両方に突き進んでいくのではないかと。^^;

私は飽きたら終わりかも・・。情熱は持ち続けるのですが、熱は冷めた方が身のためにも。とも。まあ、ほどほどにっていう訳にはいかないのが、道楽かと。

>低域まで吸音するという戸澤式レゾネーター
ああ。怪しい響き。(爆

戸澤式 お時間があれば面白かったんですが、また聴いてやってください。佐山さんには中域に低域と高域をくっつけていって・・・と説明申しあげたんですが、入れた後は、がっしりした低域の上に中高域が乗っている感じに変化したんです。吸音材恐るべしです。
A7にも裏板をはずせば簡単に入れられますし、気に入らなければ出せばいいので、機会があればお試しください。

上がり・・・いやいやもう限界で・・・・でもオーディオも楽しいですね
葉山でアルテック聴かせて頂くのを楽しみにしています。
よろしかったらaidio fanにも顔をお出しください。
ここでだいぶ勉強させていただきました。

>A7にも裏板をはずせば簡単に入れられますし、
私は前のグリルをはずして、中にフトンを入れています。(わお!
それで少しは低域の箱鳴りが抑えられるかと。
KT90さんは「ドンシャリ・ブリブリ」が自分の音と掲示板で言っていましたが、人それぞれで良いと思います。私は「とんシャリ・ぶりぶり」が自分の音のようです。落語をアナログ盤で聞いていて、低音が出すぎてのど仏が太く聞こえるようなのはあんまり好きではないようです。

でも、最近厄年を過ぎて、焼き肉より焼き野菜が好みになりました。脂っこい肉よりもさっぱりとしたとうもろこしやジャガイモを炭で焼いて食べています。きっと、耳も年齢と共に変わっていくのでしょうね。

8月初めに、ご一緒したウィンズさんでアルティックの403Aがとても印象的だったので、早速手に入れて仕事場の天井に平面バッフルでセットしました。そして、秘密基地の地下室からSV-501SEを持ってきてMacにつないでるんですけど、そうすると、A7を聞くときと違う嗜好を求めるようになりました。音のキャラクターはA7を受け継いでいて至極闊達です。
おそらくそのせいなのでしょうが、仕事をしていると音楽のディテールが気になって気になって。(笑
もう少し、全体で聞かせるようなアンプにしたいと、ライブハウスのかぶりつきで聞くのではなくて、ホールの中央後列で聞くようなアンプが仕事のBGMには合うかなと。
KT-88あたりの中低域主体のアンプが・・・。ああ、いかんいかん。(爆
葉山にもついでがあれば是非声をかけてください。

きっとそんな佐山さんにはソリッドアコースティックです。
まさに目的にぴったりで、動き回ってもOKという仕事場、店舗に
ぴったりです。
店舗設計の弟もBOSEから最近こちらに注目しています。
私も佐山さんのように いかんいかん! が麻痺してあれもこれも(^^;)

>そんな佐山さんにはソリッドアコースティックです。
ほお。ぐぐってみよっ。じゅるっ!

>いかんいかん! が麻痺してあれもこれも(^^;)
うわ====。道楽です。道楽。たんなる道楽ですよ。<自戒を込めて。(笑
道楽はプロセスをたのしむあるね。結果ではないあるよ。
中国人みたくなっちゃった。

でも、Mac+iTune(ラジオ)って、ソースとしてはあなどれませんね。64kbps以上だとFMよりもBGMでは優秀です!
Mac+iTune+Boseでは「やっぱり。いよね」っだったですけど、
Mac+iTune+真空管プリ+真空管メイン+アルティック403Aでは、「おおお、やっぱり。いいねええ。生々しいよ音楽が!」ですもの。

ソリッドアコースティックの中では、みかけは同じでも現用のSIKKIMがやはり群を抜いた音調です。
これなら比較的ローコストで、ここ10年位のシンプルな音場再現を意識したクラシック録音が立体的に再現されると思います。

ところで全体的に聴かせるアンプはサンバレー製品の中からとなると難しいですね。
そもそもSV501SE自体が、柔らかく、個々の演奏をエナジーを際だたせないで柔らかく聴かせるものですから。
オーディオ専科のWE300B PPとだいぶ鳴りが違っていましたでしょ。
トライオードのVP88だったかな。あのKT88のシングルなんかはボワっと鳴るんですが、果たしてお気に召すかどうかというと???

>あのKT88のシングルなんかはボワっと鳴るんですが、

そうなんです。あんまり仕事中に解像度良く鳴ってしまうとついつい音に引き込まれちゃうんですねえ。こまったことに。
ウィンズさんで、9Tと403Aの相性がとても良かったのでうちにもと思ったのですが、シャープで浸透力がありすぎるのもどうかと。
で、中低域が豊か(らしい)なKT88がいいかなと。そしてEL34なんかの真空管も差し替えて聞き比べてみたいし・・・となるとアレしかないんですよね。^^;
あああ、いかんいかん。(爆

KT88シングルならトライオードのほかにこちらも要注目かと。
置かれているスピーカーが同じではなく、比較しにくいのが難点
でありますが。
トランス等の部材はこちらの方が上等かもしれません。
http://www.audiopro.co.jp/apt208.html

書き忘れました。
ふわっと演奏をカチッと出す方向とは違うもので全体のハーモニー
強調とすれば、アドバンスのHC?2もお勧めです。
付属の2A3を本家RCAになされればベスト。
属にイメージされる2A3シングルそのものの音質です。
そういえば拙宅で三栄無線の2A3シングルを鳴らすのを忘れていました。これも柔らかい音がします。
KT88のような多極管は個人的にはプッシュプルでパワーも取り
出せて本領発揮といった風情を感じるんです。
もしトライオードVP88にご興味があればお譲りできます。

>トランス等の部材はこちらの方が上等かもしれません。
>イメージされる2A3シングルそのものの音質です。
>トライオードVP88にご興味があればお譲りできます。

佐山A:ええ?ほんとなんですか!
    2A3も気になるなあ。
    うれしい!格安で?
佐山B:部材よりも、信頼出来る「人」から買いたいかも・・。
    やっぱり、KT-88が・・。
    自分でつくりたいシィ・・。
佐山C:実態はわからないなあ。けど・・
    もう少し先に2A3のことを知るときが来るかも。
    SV-3488造って確かめるしか・・。

ホントの佐山:なにがなんだかわかんな〜〜い!(爆
KOBAさん、今度いろいろきかせて!

VP88なら3万位でいかがでしょう?
ELAC等に組み合わせて合いませんで。
それから他作ですので、佐山さんの方で丁寧なハーネスと
カップリングコンデンサーを濃厚な東一オイルコンにされるとか
遊んでみてはいかがでしょう?

今度はゆっくりいろいろなアンプを鳴らしてみましょう。

実は403Aを平面バッフルから自作の密閉箱に換えました。
米松合板の12mm厚のものがあったので、ウィンズさんのWE標準箱よりも1割くらい大きい1940年当時のアルティック618Cのサイズで造ってみました。
アルティック618C→http://www.stereosound.co.jp/hivi/shop/kankyu.html

すると中域の闊達さはそのままで、低域がしっかりと実体のある音になったのです。心なしか高域もアップしたように感じます。
全体的にリアル感がぐっと増した感じです。
こうなるとやっぱりSV-9Tが標的になってきますねえ。

SV63が来ました。繊細にして豪快! いいですよ。
配線も合理的で、ゲインも丁度いい 特性的には2ヘルツ?170K
まで伸びているようです。
ところでうちのサンバレーモノ 偶然なのか全てアドバンス社製なんですね。SV?3 SV?501SEも、アドバンスのHC?1 HC?2もありますし。SV722もアドバンス製でしたよね。
アドバンスの音作りが合うのかもしれません。

ピアニッシモとフォルテが同居してリラックス出来る。
そんな感じですか?是非、検事の耳で聴きたいです。(笑

私も9Tが製作終わりまして、PPアンプと501を聴き比べています。A7+501では音量を上げてゆったりしなやかに、403A+9Tでは音を絞って筋骨隆々、そんな組み合わせが自分にはフィットするようです。(今のところ(爆

そうそう、私も吸音材入れてみました。403Aの密閉箱に。
キットや倶楽部さんのサイトにありました戸澤式ならぬ軟式テニスボール。なんだか低音少しすっきりとしました。

9T導入おめでとうございます。私はこれからSV11チューナーの組み立てを。
アドバンス製でいつも感心するのは、スロースタート回路がしっかりしていたり、保護回路が万全であることですね。
SV63も1分位はヒーターのみ点火して十分暖まったところで、プレート電圧がかかるように遅延回路がしっかりしています。
作り方がスマートで、やや自作では大変なところかと。
底板には穴がひとつだけで、空冷ファンのみで吸気して冷却しているあたりもスゴイです。
製造終了に購入間に合ってよかったですよ。AF等でも宣伝させていただきましたが、在庫が一気にはけたそうです。

低域のドライブ力に魅了されたようですね。きっと、オーディオにはまる人の数だけそれぞれのツボがあるんでしょうね。
9Tは私のツボをキュッと刺激したようです。
Mac(iTune)のソースで縦横無尽に音楽を楽しんでいます。
昔はFMでしたけど今はネットラジオ。環境の変化は日進月歩でも音楽のツボは同じようです。

たしかに低域のドライブ力はスゴイです。
この辺の63導入後の感じはキット屋倶楽部用原稿を書いて送りました。
他方SV-310は拙宅では合いませんでした。
722は自宅ではどうでしょうか?

本当に繋がないとわからないんですね。
1週間ほど聞いて、SV63は音調的にはSV-9Tを拡大していったような音調に感じました。
明晰さとか下方リニアリティに加え上方のリニアリティでの聴感上のダイナミックレンジとかで何となくそう感じます、
goronさんと同様に音源によっては、SV63が加わっても、分解能はそこそこに静かに遠巻きに鳴らす501SEや音が濃くてしなやかな専科300Bppの意義もあって面白いところです。この辺も詳しく倶楽部の方に原稿を書いてみました。
しばらくはアンプ道楽から卒業できそうです。

そういえばgoronさんのA7って何Ωですか?
うちで聞いて頂いたTA4181・375・075は古いユニットなんで16Ωなんです。
最近の真空管アンプでは、4Ω・8Ω(機種によっては8Ωだけ)しか対応していなくて困ることがあるんです。
SV63には16Ω 8Ω 4Ωと各sp端子が出ていて助かっています。
16Ωに繋ぐと、やはり音のバランスがよくなりました。
16Ωも対応しているトランス付アンプってホント少ないんですね。

>722は自宅ではどうでしょうか?

刈谷のショールームで試聴したときと同じように「音際のシズル感」に優れていると思いますよ。とっておきの「リフレッシュ音浴び」にはぴったりだったと。でも、SV-310はもっとぐりぐり迫ってくるのではと思います。ショールームでもそうでしたから。

>分解能はそこそこに静かに遠巻きに鳴らす501SE

たぶんSPによる違いが大きいかもしれませんね。A7では音圧があるせいか、9Tではブーミーになる周波数帯があるんです。おそらく追い込めばいい感じにセッティングできるのでしょうが、501ではリラックスして音量を上げて聴くことができます。で、森岡兄の薦めもあって、6BM8をデフォルトのスベトラナからジーメンスに換えてみました。すると、高域のすこし明るいきゃんきゃんする感じが翳りぐっと落ち着いたような感じです。明るいアルティックにダークな感じが付け加えられました。変わるんですね。

>goronさんのA7って何Ωですか?

ドライバーのダイアフラムを16Ωに最近換えました。ウーファーは8Ωのそのままです。こんな使い方をして大丈夫?かとも思いますが、ドライバーの音圧が上がったような気がしています。
ネットワークを介するとその辺はあまり気にしなくてもいいということをどこかで聞いたことがあるのでそのままなんです。

>6BM8をデフォルトのスベトラナからジーメンスに換えてみました

変わりますでしょう。キット屋倶楽部にそのことをレポートさせていただいています。
増幅率が一番高い部分ですからね。前段球はバカにできませんね。
今はテレフンケンを手に入れましたが、RTCもまた以前キット屋さんで頒布したアメリカブランド国産OEM球も大変いいんですね。
東芝、ナショナルの未開封ペアやNECペア、意味なく高い東欧製ムラード、アンペレックスなど手持ちがあります。
スベトラーナは近所の無線屋さんでブランド名がない同じものが1本1000円で手に入りましたので4本ほど求めましたが、もはや出番はありません。
501はWE300AのほかにJENSENのコンデンサーに入れ替えています。独特の味が好きですけど解像度は特に高いとは聞こえません。
それとうちではWE TA4181ウーハーは残念ながら501ではドライブ仕切れません。
ガルネリでもローエンドの解像度が落ちてしまうのか、SV63や専科300Bプッシュのように完全にスムースに繋がらず、わずかにサブウーハーを意識させる音調になってしまいます。

300Bを換えるよりもリスクが少なく、気軽に換えられますね。
まあ、知れば知るほど楽しみの範囲が狭まっていく知恵の悲しみに陥らないように気を付けなければならないですね。

M8選び、コストもさほどでもないのでいろいろ楽しんでください。

今のような深夜には501は合いますね。
演奏を全体で聴くのにちょうどいいです。部分の集合で聴くにはサンバレーモノでは63や91でしょうか。
これもプリでも例えば是枝プリのように全体から個々への流れで鳴らすものと、部分の集合で鳴らすマランツ#7や大西プリとの組み合わせで、全体ー全体 個々ー個々 全体ー個々 個々ー全体、といった感じで録音や、演奏、そのときの体調、気分に合わせて楽しんでいます。
きっとプリ試聴ではかような感じではなかったですか?
レコードプレーヤーも個々的な寺垣ですので、場所が確保できるようになれば全体で鳴らすトーレンス系にオルトフォンSPUも欲しいです。
オーディオの楽しみは尽きませんね。
CD?DACも徹底的に個々の機器を使って、ガルネリでクラシック演奏を案配よくブレンドして耳に入るといった感じですね。

>個々ー全体

ですね。私の聴き方は。個々の演奏が明快に聞こえてきて、聴く側がそれをひとまとめに聴きたいときには全体で。しかし、個々で聞きたいときにしっかりと個々できこえる。それが私が機器に求める方向だと思います。
その方向は、今のところ、この先もひとつでしょう。

この方向って、中学の時にバンドやってたときの聴き方そのものなんです。見よう見まねの楽器いじりなんでレコードから出てくる音をそのまま再現するしかないんです。だから、ベースの音ならそれを忠実に聴き取り弦に反映する。楽譜を演奏するなんてやり方ではないんですよ。だから、装置には分解能を求めるんです。コンサート会場の音のまとまりで受け止めるんではなくて個別に音楽をバラバラに聞き分けたい。そんな聴き方が原点なんです。
いまの音楽の聴き方はその当時のまんまなんで、それをオーディオ装置に求めるんだと思います。
だから特殊な聴き方だとおもいますよ。

そうですね。
JAZZなんかではきっとgoronさんと同じような聞き方をしているかも
しれません。かつてはもっぱらそうでした。
ガルネリを買ってからクラシックを多く聴くようになりました。
特にオケモノでは、全体のハーモニーの感じとホールでの包まれ感、広大な広がり気分に浸れれば、もうコンサート気分になっています。
現代クラシック録音や現代SPなんかもこのあたりを重視するようになったことがかつてのモノと違う感じです。
JAZZとクラシックには、録音でも再生でも自分では求めるものが違う感じです。
これも完全に分けられるものではなくて、録音方法とか、曲なんかによっても変わるので、適宜上記のアンプらを切り替えることが多いです。
キット屋倶楽部でもマス表現型と分化表現型の機器で分けて書かせて頂いたことがあります。
マス表現のマッキントッシュに対して、分化表現のマランツ#シリーズといった感じでしょうか。
そこに現代の録音を念頭に、コンサートを彷彿させる音場再現とかが加わりますね。

書き忘れです。
上記の中で、501は全体的ハーモニーに耳を行かせる音調で、包まれ感もよく再現されます。
JAZZはSV-63か専科で聴くことが多いです。
以前マス表現型等を倶楽部原稿に書いたときには、大西プリも是枝プリもありませんでしたし、SV-63も大西2A3プッシュプルもなかったものです。
今では501SEの位置づけは上記のとおり、ややマス表現型に感じる音調に感じます。
SV-63に感心したのは、どちらかというとかつて苦手としていたバスドラムの連打が腰砕けにならずにトストスと決まることでした。
こんどオフ会でヤマハのデジタルアンプをお持ちいただけるようですので、これとの比較も楽しみにしています。

そのようですね。私も比較出来るのが9Tと501だけなのですが、9Tの引き締まったベースラインとバスドラに最近A7との組み合わせではまっています。501はそれに比べてなめらかですねえ。
でも、トニーウィリアムスの乾いたバスドラは501に軍配が上がります。9Tでは重すぎるような。力強くも軽快なトニーが好きなのかも知れません。

こんにちは
ドラムの再現は、生演奏を聴いたものを同時に生録してそれを再生して、記憶にある生ドラムそのものを彷彿させるかで決めています。
トニーについては生ドラムを聞いたことがありませんし、おそらく聞いたとしてもPAでの電気増幅された音ですからきっと私にはトニーの音と言われてもわかりません。
ただ上記のような方法で機器を選択して使いこなしていくと、きっとトニーの生ドラムはこういう音だったのだろうということは想像がつきます。
そんなふうにチョイスと使いこなしは心がけるようにしています。

>トニーの音と言われてもわかりません。
音だけ聞いても私もわからないと思いますよー。タタキ方のスタイルというのか、ドンシャリバタバタ(笑)と前のめりに叩くスタイルが好きなんですよ。ジャズミュージシャンらしくないロックライクなバスドラの使い方も。だから、バスドラの径はおっきくても軽くパン!と鳴って欲しいんです。でも、彼のロックバンド「ライフタイム」は全然面白くありません。(爆
KOBAさんは録音もやるからそういう切り口なんでしょうねえ。
この前、かつてプロミュージシャンだったという人と聞いていたときは、トニーのバスドラのメーカーはラディックかTAMAか〜、シンバルはパイステかジルジャンかなんて聴き方してましたモノねえ。どの切り口で聴いているかは人それぞれで面白いです。

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