一般市販されている住宅雑誌「月刊○ューハウス」から取材の申し込みがある。冬に備えて「薪ストーブを使おう!」という企画。薪ストーブのある我が家を取材したいとのこと。喜んで引き受けることにした。

ここ数年、スローフード、スローライフといった、「ゆっくり贅沢に時間をかけて楽しもうじゃないか」というスタイルの価値観が定着しつつある。薪ストーブも最先端設備機器の正反対であり、そういった部類に属すかもしれない。ローテックでめんどくさく、苦労も多い道具であり、やはり物好きな人にしか使われない道具だろう。さしずめ「スローストーブ」略して「スローブ」。(略する必要はないのだが)


しかし、一部でこのスローブが地域を再生する可能性があるということで脚光を浴びているらしい。南アルプスのふもとの長谷村では薪ストーブを導入すると20万円の助成金がもらえるという。(長谷村薪ストーブの会)荒廃していく近隣の里山を再生させるべく薪ストーブの導入を促進しているらしい。
木屑を圧縮して燃料にするペレットストーブなるものがあるが、やはり有限な化石燃料に頼らず再生可能な近隣資源を有効に使うことは今後ますます必須事項として取り上げられるだろう。海に囲まれた日本はどこに行っても山がある山国日本でもある。地域行政単位で、間伐材や街路樹などの手入れのために出てくる枝葉を一括して木製圧縮燃料にする小さな工場を持つと良いと思う。最近、エコブリケットなる「二酸化炭素を排出しない、自然と調和したエネルギー」という製品が出てきた。ペレットストーブでなく、普通の薪ストーブで使える木製圧縮燃料だ。これはヨーロッパで製産されたもので、ものは素晴らしいと思うのだが、いかんせん輸送されて世界に売られている。原料は使えない木であろうから日本にもたくさんあるのだ。地域単位でこの加工場を持てば、原料の調達から使用する生活者までの輸送がほとんどかからない。ということは、輸送時排出Co2がほとんどないに等しい。そして地域が豊かになる。素晴らしいと思うのだが。


「スローブ」は能書きは別にして単純に楽しい。暖房にかかるランニングコストは人件費を除けばほとんどゼロ。火がつけば暖かいし、香りも良いし。良いことばかりではないが、それを上まわる良いことがいっぱいあるのだ。まして、地域環境にも貢献するとなると、ますます意義も出てくるし。

ところで、この取材は「街なかに建つ自宅で薪ストーブを使おう」という提案記事になるそうです。その読者に対して、スローブ・ライフの楽しみや苦労話を理解してもらうのだそうです。このブログを読まれた方で、「薪ストーブを使ってみたいけど、ホントに自宅で使えるのかしら」と思われたがいましたら、どのようなことが疑問だったり不安だったりするのか教えてもらえませんか。毎年使い続けている私には思いもつかないことがあるかもしれません。一歩踏み出せないでいる方の心理が理解出来ないかもしれません。いろんなコメントお待ちしております。

▼ コメント(14)

部屋の中が煙臭くならないの?
とご近所のママ友に言われた。
どうです?

・煙突から煙が出て、周辺から苦情が出ないか?
・燃料となる薪って、何処から手に入れるの?(もしかして購入しなければならないのか?)
・後付で設置可能なのか?
などなど、思いつくままに書いてみました。
まぁ、我が家は床暖設備の関係と準防火地域であることから、導入は難しいらしいのですが・・・。
薪ストーブへの憧れは、まりますねぇ。

薪ストーブとか暖炉は憧れます。
炎をながめながらボォ?としているのが好きなんです。

でも、今の家で薪ストーブの導入をと考えると
年老いた時のメンテナンス(煙突掃除等)の不安。
薪の調達の不安(金銭的な物と実労働としての)
もありますが、一番の問題は近隣の反応ですね。

密集地というほどではないけど、やっぱり煙の流れ
は気になりますし、直接火をたくことで火事の心配を
されそうで。

余裕のある土地でど真ん中に家を建てられるなら
ぜひ欲しいと思っています。

長谷村に引っ越したくなってしまいましたがw、エコブリケットは非常に興味があります。
現在備蓄の薪は一昨年に調達したものの、去年も今年も全く薪調達が出来ていない体たらくなので、試しに数パッケージ購入してみようかと思います。
薪調達のコストを考えると、こういったエコ燃料の使用も有効なのかなと思います。
薪ストーブの時期が来たら使用感を報告しますね。

C/Pを計算したところ、こちらの地方では1シーズン既製品(?)の薪を買うのと同程度になりそうな予想(1季20万円程)ですな。

>部屋の中が煙臭くならないの?
でっすよね=。それが煙臭くならないんです。

Answer!:
家の中は煙臭くなりません!煙は煙突から出ていきますので家の外は煙臭くなります。(@_@;)風向きによりその煙は右往左往上下、縦横無尽。無風であればまっすぐ上にあがっていきます。
肝心の家の中は、木の種類によって薫る臭いは様々ですが、煙くさくはありません。薫製チップになっているような木を燃やすと甘く香水のような香りが立ちこめます。サクラ、クルミ、ケヤキ(ヒッコリー)などは家中に良い香りがしますねえ。
アメリカでは、薪ストーブから出る煙に対する規制があって、完全燃焼した煙しか出せない基準があります。日本にはそのような規制はありませんが、街の中で薪ストーブを使うのであれば、二次燃焼できる薪ストーブをお勧めします。いったん燃やした煙を二次燃焼室で燃やすことにより、クリーンな排気と薪から最大限の熱エネルギーを取り出すことができます。欧米では二次燃焼させることが一般常識となっています。


>・煙突から煙が出て、周辺から苦情が出ないか?
>一番の問題は近隣の反応ですね。
これも、でっすよね==。

Answer!:
今まで街の中で設計したお宅に薪ストーブを導入して近隣から文句を言われて困った!という話は聞いたことはないんです。何故か。もちろん、設計時点で近隣にマンションなんかの中高層建物がある場合はお勧めしていませんが。
推察するに、薪ストーブを使う季節は冬です。ということは、少なくとも寒いので窓を閉めます。だからあまり気にならない・・のでしょうか。でも、洗濯物は晴れていれば外に干しますよね。でも、気にならないのでしょうか。
しかし、近所付き合いが難しいところでは、ちょっとしたことがきっかけで大問題になることが予想されますので、何かの拍子に「今まで黙っていたけど、お宅の薪ストーブの煙ねえ・・・!」って言われないとも限りません。近隣との関係は薪ストーブだけの問題ではないと思います。日頃の付き合い方が大切かも。
それと、これらを気になさるようであれば、導入はしない方が良いと思います。火を付けるたびに近所のことを気にしていると身が持たないと思います。


>・燃料となる薪って、何処から手に入れるの?(もしかして購入しなければならないのか?)
でっすよね===。

Answer!:
今のところ、私は自分たちで調達してきています。でも、今年は諸事情から、エコブリックを購入しようかとも思っています。ずばり!答えはどっちでもよし。都合に合わせてやればいいんじゃないかと。ちなみに私たちは鎌倉の堆肥センターに丸太をもらいに行きます。軽トラで5〜6回くらい往復すれば一年分くらいの薪は確保出来ます。それを家に運んでチェーンソーで玉切りして割ります。
今年の諸事情とは、昨年仕入れた軽トラがエンジントラブルですぐにオーバーヒートしてしまうのです。それを修理するのにいくらかかるのか。1シーズン分のエコブリックを購入したとして私の試算では25000円。修理代と天秤にかけると・・・・。どうしたものかと。


>・後付で設置可能なのか?
可能ですよ==。
場所と予算とやる気があれば設置可能です。(笑
(準防火地域は神奈川の場合関係ないです。薪ストーブは灯油ストーブと同じ扱いです。移動出来る家具と同じ扱い)


>直接火をたくことで火事の心配をされそうで。
でっすよね=====。

いろんな心配をする人がいますからねえ。世の中の近隣には。(笑
一番最初に書いた、二次燃焼出来る薪ストーブの場合、1次燃焼室から直接煙突に火がいかないような設計になっています。ですから、火が煙突に残っているすすに火がついて、煙突内の火災がおこる心配は少なくなります。アメリカでの一番の薪ストーブ関連火災は煙道火災らしいです。二次燃焼室を持った薪ストーブは別にして、オープンタイプのマントルピースなんかは、ちょっと煙突の掃除を怠ると、一気に煙道にたまったすすに火がついて煙突の中が火事になります。それが屋根に飛び火して火事になるようです。
だから、そんなこと(火事)を心配する人が近隣にいたら、二次燃焼タイプだからそんな心配ないんですのよ==。おほほ。と。(爆
でも、そんな心配が先に思い浮かぶようであればやはり導入はお勧めしないかも・・・。やっぱり、そんなことくらい!って思えるような気持ちがないとやっていけまへんのどすえ。


いろいろ書いてきましたが、そんなことは「好きなんです!」という気持ちがあればどうにでもなります。
でも、単なるあこがれだけでは、どうしようもできないことも事実です。
もっと、もっと、やってみたら思いもよらなかった苦労はありますよ。

>C/Pを計算したところ、(1季20万円程)ですな。

さっすが、長野。冬季期間と温度が違うようですね。
神奈川では、エコブリック1季2.5万円。薪をあるところから購入しても2.5万円。だから、神奈川ではやっていけるのかと。道楽のひとつとして。
もし、私が生まれ故郷の北海道で暮らしていたら、スローブなんて使いませんね。いそがしすぎてスローなんて言っていられません。(笑
もういっちょ、私が北海道で暮らしていたなら、完全外断熱コンクリートブロック二重壁+ダイレクトゲインバリバリ+南側に温室+完全パッシブソーラーハウスにしますね。
薪ストーブは趣味で家の中にオーデコロンを振りかけるようにちょいと補助暖房ぐらいに。ほほほ。(遠い目

てなくらいでないと、やってられませんよ。死ぬほど寒くないこっちだから、できるんです。
うにゃさんはえらい!薪が無くなって凍死しないでね。

今年の分は何とかなりそうなんで、これからシャカリキになって来年分の薪造りですよ。
レクリエーションとしての薪造りも、昼真っからビール飲めたりして楽しいんですけどね。

goronさんちにお邪魔した時、ちょっとストーブ焚くだけで部屋が暖かくなる。これにはびっくりしました。
さすがにン十万も出して薪を買う気にはなれないっす。

>レクリエーションとしての薪造りも、

そそ!それを「今どきスイッチひとつで家中暖房出来るのに!」と思うか、レクリエーションと思えるか。です。
あたりまえですが、「いまさら何やってんの?そんなこと。」って思ってる人は・・・おそらく世の中の98%くらいいると思います。
だから、そんなことをテーマにする本は売れっこないよねえ。
でも、憧れてる人はいっぱいいると勝手に思っているから、案外売れるかもしれんですねえ。

>goronさんちにお邪魔した時、ちょっとストーブ焚くだけで部屋が暖かくなる。これにはびっくりしました。

ふふふ。何を今さら。私の家は特別な断熱材は一切使っていませんよ。あっ、そういうことではなくてね。神奈川だからね。

>薪を買う気にはなれないっす
買うくらいなら、エアコンでやるか・・・。でも、エアコンの暖房って変なんだよなあ。暖かい風を送ってあったまるか?風を感じると体感温度は下がるんだぜ?へんだよなあ。ファンヒーターも含めてさあ。

廃材リサイクル薪を検索していたら、こんなん出てきました。
http://fire.i-apple.jp/

24円/kgは格安ですが、どんなもんなんでしょう。

>どんなもんなんでしょう。

そこのサイトの写真をじ〜っと見てみると、少し色が着いていますよね。古新聞ドーナツに。
黒インクはもともと炭素らしいので燃やしても問題ないと言われていますが、カラー刷りのオリコミ広告などは燃やすと良くないらしいのです。なにが良くないかは詳しく知らないのですが、そんなものも混入されているのではないでしょうか?

いくら薪がなくなっても、合板だけは燃やしたくないですものねえ。接着剤とかの化学物質を燃やすとやっぱりなんだか気になりますから。

そういう視点では、どうなんでしょうかねえ。

一応下の方に灰の分析結果が記載されていますが、どんなもんでしょう。

一部ペレットからも六価クロムが検出されていますし、薪や圧縮燃料をどこまで信用出来るかですね。
http://www.pref.iwate.jp/~hp0552/biomass/kouhyou.pdf
※PDF要注意

変なものが混じらないようにするには、木の産地を限定して伐採するとか、廃材(出所不明の廃棄樹木含む)を使わないようにするとか考えられますが、そうするとペレットを作るために木を伐採するなど、エコ燃料本来の趣旨とは一寸違うものになってしまいそうです。

これを読むと自然に生育している樹木にもクロムが入っており、食物植物にも海草にも入っているようですね。当たり前のようにそこら辺に存在してるんですねえ。あらためて知るとびっくりします。
ただ、ペレットにしてその灰には高濃度のクロムが存在してるとは気がつかなかったのでしょうね。
炭(スミ)の灰なんてクロム濃度を調べる人がいないだけで、同じような量を含んでいるかもしれませんね。

ペレットのクロムは、おそらくおが屑の中に防腐剤入りの木材が紛れ込んでいたか、工場跡地の伐採樹木が含まれていたのではないかと推測します。
おが屑を出すような現場で、一般材と防腐処理剤入りのおが屑を分けるなんて考えられないし、汚染米のように知らず知らず重金属を多量に含む木が混入するってことも考えられます。

農産物のように生産者(生産地)を明記する時代になるんでしょうかね。
☆お買い得!70%OFF。薪一山○○円(生産地:××金属工業跡地)とか。

うにゃ〜〜!
やだな。そんなの。

国産材の生産者は『うちのかんなくずは、クワガタ飼育マットにもつかえるしぃ!』って宣伝してました。
『外材は丸太で購入しても薬ぶっかけられているから安心ならん』
しかし、県の林業センターで虫が付くから『農薬?かけるよ!』って言ってたし。

何が良いんだか、わからん世の中になってきたってことだけは言える。

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