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『YOKOHAMA2005 横浜トリエンナーレ2005』に遅ればせながら足を運ぶ。サブタイトルは『ART CIRCUS jumping from the ordinary』。

入場料1800円に驚きながら思い切って参戦。ゲートをくぐり、青空にはためく何万枚もの『旗』の下を延々と歩く。この白と赤のデザイン旗が黄色だったら『幸せの黄色い〜』になるのだろうかと物思いにふけりながら歩く。そして、これもアートなのかと思いながら歩く。会場までの『旗アーケード』の右となりは倉庫群。平日だったのでまったくの日常。フォークリフトを操り毎日の延長でもくもくと働く人を横目に。たしかに『 jumping from the ordinary』にはふさわしいイントロ空間かと。ぶつぶつと皮肉る。しかし、かいま見える右手の日常をまるで動物園の檻の外から眺めるように乖離させ、ART CIRCUSへの導入部分を演出している『旗アーケード』はいろんなことを想像させる導入部としては成功しているのかとも。


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会場の建物内部の核心は撮影不可。2棟並んだ倉庫に挟まれた中庭空間は休憩スペースの模様。ふと空に目をやると、サーカスらしい一群が目を引いた。アートの一部だろうが気がゆるみぱちり。

最初の建物のアート群は、大学生の学園祭のノリ。日本以外のアジア諸国からの出品も多いが、なんとなくがちゃがちゃしている印象。1800円のコストパフォーマンスを感じないままに中庭の象たちに少しホッとする。そこをだらだらと通過し2棟目に足を踏み入れる。期待感なく1棟目の延長上でふらふらしていた。

出会い頭に私の心を動かす絵が登場。不思議な目をした女の子。描かれているのはひとりの女の子だけなのだが表情が描き手の内面をよくあらわしているようでひかれていく。とっても不思議。見るものをその世界に引っ張り込むチカラがあった。作者は奈良美智さんとのこと。もどりネットで調べる。世界的な人気作家らしい。

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△奈良美智;Saucer Tales より、©Yoshitomo Nara、Photo© S. Yoshida

青森県立美術館・奈良美智主要所蔵作品サムネール
The Last Match
奈良美智:Saucer Tales 展
ちなみに、このかた、「ならよしとも」さんという男性作家なのだ。


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午後に入場し、2時間ほど歩き回ると外はもう日が暮れていた。12月の夕方は日が暮れるのが早い。山下埠頭先端から見る横浜の夜景は思いのほかきれいだった。今の時期ならではだろう。夜景を横目にまた『旗アーケード』あるく。建築はアート的な要素はあるが圧倒的に芸術ではない。生活をサポートするしがらみの多い公共創作物だ。その生命をあずかるしがらみが無くなった建築を想像してみた。小さくて住宅規模。でかいぞ、こりゃ。いっぱいいろんな意味や義務が詰まっていないと面白く無さそうだ。し、それらがなけりゃ、創作意欲も沸かない。自慰でもいけない。横浜の夜景を横目に旗めくエンディングロードを歩きながら、『普通からの脱却』(ART CIRCUS jumping from the ordinary)を反芻していた。

▼ コメント(8)

つまり。。。ナラミチ以外見るべき物はなかったということですね。

全然見に行ってないんだけれど、開催初日に外売店で飲み物売るからって氷を納品したんだけれど。。。
その後の注文はナシ(笑笑)
当たり前だっちゅーねん。。。さぶいもん。

>konちゃん

ナラミチ以外にもおもしろいのいろいろありました。

最初の方より、奥の方がおもしろいのが多かった。
体験型が多いので何人かでいったほうがおもしろいかも。


>こるさん
外、寒いわなぁ
平日だからあんまりお客さんもいなかったですわ
海沿いの倉庫街だからねー寒いちゅーねん

>KONちゃん
>つまり。。。ナラミチ以外見るべき物はなかったということですね。

いやそれが、いやちがうんです。奈良美智さんには単純に感動したこととブログに書きやすかったから書いただけ……がただしいかと。
横浜の建築家ご夫婦の会場構成、携帯電話とデジカメを使った『回転回』、そして音楽と光とストーリーで不思議な世界を演出していたブース(名前が思い出せない:でもこれが一番好きだったりする)は、とっても印象的でした。
それ以外は、印象に残りませんでした。

人によって感じ方は大きく変わると思いますね〜。


>こる。さん

展示会場の屋外(もぎりのなか)で、面白い屋台やってましたよ。メニュー的にはアジアンファストフード(?)、天丼、たこ焼きなど。空間的には、リヤカー屋台をなが〜〜くして白くした、まるでリムジン屋台みたいな、ヘンな客席があったり。こる。さんならそっちの探検の方が面白いかも。

私も実は行ったんですが、確かに学園祭ノリなので一人で行くとしらけるな〜って思いました。
集められた作品の質の問題じゃなくて、これをコーディネートしたキュレーターに問題ありって感じがありましたね。
学生か子連れしか楽しめない。オトナのイベントじゃないですね。

>konちゃん

そ、だったんだ。行ってたんだ。
だったら、KONちゃんの感想もまたしかり。かな。

吉村順三建築展行きました?
芸大美術館。
http://www.geidai.ac.jp/museum/exhibit/current_exhibitions_ja.htm
そのうちここにに書くけど、受け止めなければいけないことてんこ盛りです。まだだったら、口直しにどうぞ〜。12/25までです。

行きたいです。でもまにあうかな。。。
本も返さなくちゃ。すみません。ながながお借りして。

本はいつでも結構ですよ。

先月、鎌倉の県立近代美術館をなめまわしてきました。
これは、コルビジェの弟子、坂倉準三です。ディテール見ていて飽きないですねえ。なぜか、こちらも「じゅんぞう」なんですよねえ。(爆

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