朝一番で葉山警察へ行く。運転免許を更新するための法定講習というもの。5分前につく。椅子と机の席と後ろに追加された椅子だけの席があり、最後尾椅子だけの席につく。机は3人掛けだが、まん中の席はどの席もあいており、なかなか埋まらない。人間にはパーソナルスペースがあり、適度な距離がないと居心地が悪くなる。これは私の大学の卒業論文のテーマ。動物だけではなく人にも無意識のテリトリーがありその領域に他人が進入してくると嫌悪感を感じるというもの。背中側が一番その距離が小さく、次に横、前方の距離がもっとも大きい。ちょうど前方に少し長い卵形の領域を持っている。ここ10年以上、満員電車に乗る機会もなかったので、こんな講習の座席でもうっとうしく感じる。パーソナルスペースが大きくなっているのだろう。

講習が始まる前、ぼんやりと会場の様子を眺める。色気のない真っ白い壁、アスベストが入っているかもしれないジプトーンの天井。なんか悪いことでもしたのだろうかと思ってしまうくらいに空気が殺伐としている。黒板の横には「神奈川県警察寮歌」なる歌詞が掲げてあり、なんとも息苦しい。受講者は高年齢の方が多い。たまたまだろうが、高齢化を感じる。講師がやってくる。警察官が現役を引退するとこういう仕事をするのかと想像。元漫才師かと思えるような講師にあたったこともある。今日の講師は5秒で終わる話を5分以上かけて話すことにたけているようだ。

まず、例によって30分ほどの映画鑑賞。今回は事故事例ばっかりの気持ち悪くなるような映像ではなく、里見浩太朗主演のドラマ仕立てだ。酒酔い運転、ひき逃げ、懲役、妻衰弱死。その様子を交通ジャーナリストの里見浩太朗が追っていく。今までの映画と違い、居眠りしている人が少なかった。その後、最近の法改正のはなし。今年の6月から、駐車違反を民間業者が取り締まることになる。そうすると、手薄な警官が時間があるときだけ取り締まるのではなく、専門業者が取り締まることになるので、「駐車違反の場所では気を配って止めるようにしなければならない」と力説。とめてはいかん!ではなく「気を配るように」と。なんか腑に落ちない。また、チョークでの猶予警告はなくなり、いきなりステッカーを貼るらしい。同時にデジカメで証拠を残し本部に電送されるようだ。そして、運転者が出頭しない場合、所有者に切符が送られていくらしい。この専門業者に、警備会社、運送会社、建設会社が名乗りを上げ登録されたとのこと。耐震偽装でやり玉に挙がった民間建築確認機関のように結局「ゆるゆる」になっていくような気もする。建設会社なんか包みを渡すと闇に葬ってくれそうである。

最後に今までの免許証が必要な人は持ち帰ってもよろしと。後ろの机にカルタのように参加者分が並んでいた。必要ないが引き取る。新しいものと比べると確実に老けている。次はまた3年後。さらに老けているだろう。しかし、確実に何ごともなく更新出来るように気を引き締めていきたいと思うのである。いつかはゴールドカードと思いながら、晴れ渡った葉山の海岸線を原付で帰ってきた。

▼ コメント(2)

先日、私も同じ映画を観てまいりました(笑)
別に要りはしないけど、古い免許証は返してくれなかったなぁ
同じ県でも地域によって対応が違うんですね...

神奈川地方で今が旬なのですね。あの映画。(笑
期限切れの免許証って、昔は画鋲くらいの穴が空いていたような気がするけど、今日の奴はまるで散弾銃で撃ち抜いたような小さな穴がいっぱいあいていました。(爆
私も別にいらないんですけど。そ、言えば返してもらったの神奈川では初めてだったような。

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