■ 電動薪割り機に考えさせられる

4月10日。まだ薪ストーブの中で火がくすぶっている。今年の焚き終わりはいつになるのだろう。久しぶりに薪ストーブ暮らしの片腕「ホンダくん」と鎌倉の堆肥センターに。昨年はスズキ君が不調だったため訪れていない。薪は静岡の友人からおこぼれにあずかりしのいだ。今年はそうそう甘えてもいられないので仕込みに行く。それにしても丸太の量が少ない。いつもの半分もない。ケヤキ、桜、クヌギと物色しながら荷台に運ぶ。するともう１台軽トラが。農夫のような身なりのおじさん。競争相手が増えたのだろうか。一冬で約軽トラ３杯分は使う。積載重量オーバーはやってはいけないが、規定通り（350kg）だと５回は往復しなければならない。台貫所で気を付けるようにたしなめられる。

我が家のピロティに運び玉切りに。我が家の最適寸は45cm。実は今春「電動薪割り機」を入手。ネットで粉砕力4tのものを発注。スペックには最大粉砕能力25cmとある。が、18cmのケヤキが割れない。その程度の大きさのケヤキが一番美味しい。運搬もしかり、割るのも１／４で良いからだ。発注先の愛媛県の問屋に問い合わせる。ワンランク上は粉砕力5t。それにグレードアップすると威力は変わるか？と。電話口で割れなかった薪を送ってもらえれば確認して割れるようなら差額負担で交換に応じるとのこと。4t（33800円）、5t（49800円）。能力的には1.25倍。微妙だ。しかたない。18cmのケヤキを送る。『割れました！』と電話口。グレードアップした5tの電動薪割り機がこれ（←）。

早速、20cm程度のケヤキを割ってみる。が、割れない。がっくり。よく考えてみると、広葉樹は切りたおし玉切りにした後すぐに割らないと堅くなり割りにくくなるとどこかで読んだ記憶がある。割れないケヤキは切りたおされて３ヶ月ほど経過していた。おそらくそのせいかもしれないとぶつぶつ。鎌倉から引き上げてきたものは25cm程度のものまでさくさく割れた。やれやれ、なんとか使い物になりそうだ。この電動薪割り機の仕組みは玉切りされた丸太をセットすると油圧ポンプで丸太を押しだしその先のくさびに押し当てて割るというもの。スイッチを右手で押し、レバーを左手で操作。すると、うい〜んと静かに叫び、ばり！と押し割る。なんとも間抜けな感じ。スパン！と割る爽快感はない。しかし、確実に割り切っていくのは楽しい。まさかりを振り下ろすのももちろん楽しいが、時折目標をはずしてしまい、薪をセットしなおしたりというような、無駄な動きがないので量はたくさんこなせる。

なぜ、こんなことをしてまで薪ストーブを使うのだろうか。たかが一軒の家の暖房なんてスイッチオンでいくらでも可能だ。あたりまえだが今は現代だ。モダンでスマートに生きれば薪拾い薪割りなんて全く必要ない。まして薪を割るのに電気を使っている。電気エネルギーに頼りたくないからだ！なんて大きな声で言えない。なんでだろう。へりくつはいくらでも言えるのだが、薪ストーブを使う本質はどこあるのか。もう少し、電動薪割り機を使いながら考えてみよう。