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一昨日、朝のニュースで「薪ストーブが人気!」とやっていた。長野では古くなって収穫できなくなったリンゴの木を毎年倒すのだという。それを手伝うNPOがあって、倒したリンゴの木をもらって薪にするというのだ。さぞ良い香りが楽しめるだろう。うらやましい。さて、今日、寒さが一段と増してきたので、薪ストーブを掃除し火を入れた。昨年は11/14だと思っていたが、全く同じ11/17が焚きはじめだった。まだ使い始めて日が浅い方、薪ストーブを検討している方に、簡単に焚きはじめる前の掃除方法をメモる。

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内部から壁を貫通する部分の煙突を掃除。タール(すす、クレオソート、呼び方はいろいろ)が、たまっている。これは薪のなかに蓄積されていた樹液が火を焚くことで気化し、それが煙突に触れて冷やされ液化し、さらに固化した物。これを放置しておくと、薪ストーブを焚いたときに引火し煙道火災を引き起こす。ものすごい火力で煙突内部が燃えさかり、煙突の先から火の粉が出て大いに危険。また、壁や屋根の貫通部分が高温になり火災を引き起こすこともあるので充分に気を付けなければならない。高価な二重煙突を使っている場合はほとんどススもたまらないので、あまり心配ない。シングル煙突を使っている場合は毎年充分な手入れが必要。

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外は父親に手伝ってもらう。父親がヘンな物を手にしていた。使わなくなったクイックルワイパーの柄に、塩ビ管の半割を取り付けていた。これで、ごしごし中のススをしごき落とすらしい。感心。よくあるのは、煙突掃除用のワイヤーの先にブラシがついたやつ。あれは一見良さそうだが、薪ストーブの煙突掃除にはあまりむかない。とにかく、ごしごしがしがしやらないとススはとれない。石炭ストーブのほわほわっとした舞飛ぶようなススとは違う。このがりがりしたスス、プロ・ガーディナーの父親は庭木のそばに埋めるのだという。そうすると、虫が付かなくてとても良いらしい。ちなみに煙突で冷やされた樹液は木酢液として活用し、ススも天然虫除け剤として使う。すてる部分はない。もちろん、アルカリ性の灰も酸性土壌の中和剤として活用している。そして、囲炉裏付きすまいの灰として竣工祝いにも喜ばれている。

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ストーブ庫内の掃除。本来は焚かなくなってすぐに掃除しておくと良い。私は無精なので、焚く前、尻に火がついてからやる。春からそのまんまだった灰を掻き出す。この時に「ほわほわ〜〜」っと、灰が舞うので神経質な人は薪ストーブ使いにむかない。そ〜〜っとやればいいのだが、あわててやるとその辺白くなってしまう。

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薪ストーブ本体の灰受けトレーに灰を受ける。この時もゆっくりやらないと灰が舞う。ちなみにここの灰受けトレーに入れて焼く焼き芋は格別。アルミホイルに包んで、じっくり1時間以上。忘れた頃に、栗のような焼き芋が出来上がる。

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掃除するついでに2次燃焼室も簡単にメンテ。上蓋を取り、二次燃焼を促進させる「触媒」を取る。丁寧に掃除機で中のススとよごれを吸い取る。私は現役引退した掃除機を使って吸い取っている。壊れかかった掃除機を薪ストーブ専用にすると都合がよい。普段使いの掃除機ではもったいない。写真にある穴のあいた底板(バッフル)は、まだ健在だ。10年目を迎えるこのストーブ、5年目くらいにこのバッフルを交換した。針葉樹(杉・ヒノキ)を焚くと高温になり過ぎ、鋳物のバッフルが溶解し垂れ下がってしまう。なので、針葉樹を燃やすときは高温になりすぎないように注意しなければならない。薪ストーブは一生物だと思うが、使い方によってはやはり寿命が短くなる。ちなみに、触媒のキャタリティック・コンバスターも一度交換した。やはり温度を上げすぎるとこれもいかれてしまう。


●2006.11.14(火)

英国製深夜電力利用蓄熱式暖房機クレダの輸入元、ゼネラルアプライアンスにメール。前回同様に、今回の2件のメンテもよろしく。設備機器は2年(あるいは1年)の保証期間が一般的。日常的に使って2年程度壊れない場合は初期不良でないケースがほとんど。しかし、暖房機の2年は、神奈川の場合、8ヶ月くらいに相当する。クレダも2年間の保証。3年目、4年目で使い方に原因がない故障は、無償修理の対象で良いのではないか。優しく抗議。

●2006.11.15(水)

床屋へ。床屋は近隣情報の宝庫だ。店脇にケヤキの大黒柱の切り株。3本ほど。しげしげ見ていると、実教寺の下で解体やっていて、くれって言ったらいいよって言うんでもらってきたんだ。そこの土地の入り口にでっかいケヤキの木もあってそれを伐らないと重機が入んないんでそのケヤキの切れっ端ももらってきたんだよ。イスにでもしようかと思って。と店主。。ああ、実教寺の下では私の現場もあるよ。真っ黒いやつで、囲炉裏も薪ストーブもあるから今度見て下さいよ。話変わるけど、その伐ったケヤキって全部引き下げた?と私。いやあ、まだ寝っ転がってると思うよ。と店主。さっぱりしたあと、その現場にすっ飛んでいったのは言うまでもありません。

●2006.11.16(木)

クレダの担当者から返信メール。ダイアルが動かない件は、前例があるので無償修理は可能だが、作動不能についてはどうなるかわからないとのこと。使い方の問題で作動不能になったのであれば、メンテナンス時にしっかり正しい使い方を教えてあげてほしい。そうでない場合は、初期不良扱いとしてよろしく。と返信。できる限りのことはしますと再返信。何かの拍子で過電流が原因で作動しなくなったとか、間違って機器に水を掛けてしまったとかした場合は、無償修理とはいかないだろうなあ。もう少し、メンテマンの見解を待つことにしよう。

●2006.11.17(金)

ず〜っと頭の中で熟成させてきたプランを紙に描き出す。薪ストーブのある家。来週打ち合わせだ。さあ、プランを造ろう、デザインしようと紙を前にしても全く出てこない。飯を食い、新聞を読み、音楽を聴き、ふらふら買い物をしているときでも、いつも脳の片隅でデザインしている。その熟成期間がないと紙に描き出せない。紙に描き出しては、脳内で熟成させる。この繰り返し。まだ、コミュニケーションが浅いので、私の薪ストーブ住宅論で試行錯誤する。これが楽しくて仕方がない。すまい全体が真冬の明け方、18℃を切らないようにデザインできれば本望だ。

▼ コメント(5)

こんにちわぁ〜。
実は今初めて自分で薪ストーブ焚きました。今日は
だんなが遅くじゃないとと帰らない、エアコンをつけてみたけど今イチ、風邪気味なのか体がどーも冷える。で、とうとう(設置1年目にして!)はじめてつけました。
火怖い、いつもはだんながやるという理由で敬遠していた
のですが、嬉しくて1時間火の前にいたのち、この記事をみつけたもので、、、。
あ、関係ないですけど、さるこさんにお借りしたマンガで毎日充実した夜時間を過ごしてます。
西原理恵子で笑い、こうの史代で泣き、、。
この場をお借りしてお礼〜!

おお。やりましたね。火遊び。煙逆流しませんでした?
最初はだんなのおもちゃかもしれませんが、奥さんが焚くようになると一気に実用性が出てきますよね。
一度、薪ストーブのあったかさを味わったら、エアコンなんてただの電気代浪費するだけのものに見えてきます。

そうそう、ちゃんと煙突掃除のやりかたをお伝えしなくてはね。

マンガ、おもしろかったようでなにより。
miwaさんが好きそうかなあというのをセレクトした甲斐がありました。
西原理恵子、こうの史代、いいですよね〜

佐山さん こんにちは
ブログ、いつも拝見しています。
ごぶさたをしていました。なにはさておき、おめでとうございます。
我が家でも薪ストーブを焚きはじめました。目下の悩みは、薪のストックが1週間分ほどしかないことです。先日、伐採した公園の樹木を市からいただいたので、割って薪にしたのですが、まだまだ乾いていません。煙突の掃除も全然していない(3シーズン目になります)ので、それも心配です。そのうちに、煙突のはずしかたや掃除の方法を教えて下さい。

大沢さん、ご無沙汰しております。

いいですよ〜。いつでもお問い合わせください。
薪がなければ、これ!というものもあります。
メールいただいても良いですし、ここにコメントいただいてもかまいません。
同じ悩みを抱えている方もいるでしょうから。
具体的におっしゃっていただければ、知ってる限りのことは伝授致します〜〜。

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