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今年は暖冬。とはいえ家の中に火種がないと寒い。今朝起きると3階ちゃぶ台の間が16℃。肌寒い。夜冷えたのだろうか。今年の冬は努めて真夜中を含めて一日中20℃キープを心がけている。エネルギーを浪費して温度管理は簡単だ。しかし、薪ストーブを使いこなすことでの温度管理はエネルギーを浪費しない。メンテナンスのために切り倒された木をもらってきて自分の力で薪にする。土に帰るか、廃棄物として燃やされるか、堆肥にされ生き延びるか。その選択しかない木々の終末を人間が暖を取るために使わせてもらう。木々にとってもうれしいだろう。(と勝手に思う。)

先週末、「大井。木・風・土間のある家」にこれから設計が始まるお客様をご案内。となりでだご焼きをやっていて忙しい中、ご主人と奥様が迎えてくれた。奥様「いつもストーブの庫内をきれいにしておいてくれって旦那が言うんですよ〜」と。みるとストーブ庫内はきれいに灰が清掃されている。私は「この庫内には10cmくらい灰を残しておいた方が良いですよ。灰の始末は3〜4日で充分です」と。「あ〜あ、よかった!毎日掃除しなくて(笑)」と奥様。理由は以下のようにと説明。

私も3〜4年前までは庫内からいつも灰を掻き出しきれいにしていた。ある時、めんどくさくて3日ほど灰を出さずに焚き続けていた。すると、それまでは極小の給気で寝る前に薪を入れて置くと朝には酸素不足で薪が消えかかり、煙突から煙が抜ける上昇気流も弱まり、きな臭いたき火の消えかけ特有の臭いが逆流していたのが全く無くなったのだ。どういうことかというと、給気を絞っても灰に埋まったオキビが熱を発し続け上昇気流がなくならない。かつ、上昇気流があるのでオキビになるまで薪はしっかり燃焼し続ける。すると、さらに灰にオキビが潜り込みいつまで経っても種火が消えないのだ。これは昔の火鉢と同じ。いつまでも灰の中でくすぶり続けるオキビの熱で火鉢は暖かい。けっしてもえさかっているわけではない。そういう給気をぎりぎりまで絞って、灰にオキビを埋め込む焚き方をはじめると、一日中、薪ストーブは燃えさからず、それでいて四六時中20℃をキープできるようになる。なので、うちの薪ストーブの周りは熱くない。でも、ほんのり暖かい。この焚き方は薪ストーブを熱くしすぎて壊してしまうこともない。薪の投入も、6〜8時間に3〜4本。これで充分いけるのだ。薪ストーブを使っている方は是非お勧め。あまりこういう使い方をしている人はいないと思う。エネルギー浪費をしない極意。


▼ 薪ストーブの庫内。底には15cmほど灰がたまっている。
 もう、薪が入らないというくらいまで灰をためるのがこつ。
 たまりすぎたら、下の灰受けトレーから少しずつだすか、
 十能で庫内から取り出す。でも、10cmくらいは残しておく。

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▼ この焚き方をしていると、種火は完全に消えないので
 灰に埋まった種火に薪をおくと簡単に着火できる。
 もう少し、オキビの勢いが強いと薪を投入するだけでオッケー。
 この繰り返しなので、ほとんど着火剤は使わない。

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ただ、薪ストーブの前面ガラスからちろちろと燃える火を楽しみたいと思っている方には不向き。ふたつ上の写真の右側を見るとガラスが半分以上埋まっていることがわかる。私の薪ストーブの使い方はあくまでも実用一点張り。寒くない冬を創り出す道具でしかない。


●2007.01.15(月)

前夜マイケルブレッカーを追悼していたら二日酔い。もうろうとしながら9:00待ち合わせの現場に行く。築40年の改修。うまくお金がかからずにすみこなしていけるように知恵を絞りたい。午後、経営者のお仕事。ハローワークに行く。経営者の妻は雇用保険には入れないらしい。もう10年払い続けている。では、払った分は返還されるのかと聞くと2年より前は時効が成立していて返還できないとのこと。怒り心頭。窓口の担当では話にならないのでさっさとハンドルを握る。しかし、名案は浮かばない。イケア港北店に追加仕入れに行く。

●2007.01.16(火)

朝、父と進入止めを葉山堀内の家に届ける。年末に一度納入すると大風で倒れてしまった。なので、造り直し、せいを低くして足もとも重くする。もとガーディナーの父の作品。あるお寺で感じの良い進入止めがあったのでいつか造りたいと思っていたとのこと。木、竹、シュロ縄でできたバリケード。クラシカルな雰囲気なので、トラディショナル&モダンな住まいには似合うと思う。もう一件、葉山スタイルの家に袖垣を設置しに行く。しかし、留守。出直し。午後、イケアで仕入れた収納ボックスを組み立て玄関収納として造作。イケアのこの収納ボックスはすばらしい。34cmキューブの単純ボックス。デザイン次第でどうにでも使いこなせる。それまで玄関におかれていた100年前の葉山の別荘で造作された水屋は格上げされ3階ちゃぶ台の間で行灯ボックスとして生きながらえることに。ここにもイケアで仕入れた290円の照明が入る。

▼ コメント(2)

はじめてお便りします。
葉山町一色に新居を建築予定です。
薪ストーブ」に憧れ、モルソー2110というのを購入予定です。
高価な薪をどう調達するか困っていましたが、灰を捨てずに10cmくらい残すという記事を大変うれしく読ませていただきました。

ながさわさん、コメントありがとうございます。
薪は買わずに調達する方法はありますよ。
時間とやる気があればいくらでも…。

モルソー2110は給気が前面下だけみたいですね。
灰を捨てずに残しながら給気を絞って焚くのが低温長時間燃焼のコツですが、給気口を塞いでしまわないようにしてくださいね。

また、薪ストーブを焚くときは周辺の住民に気を遣ってください。
葉山でも、暗くなってから焚くとか、みなさんいろいろ工夫されて薪ストーブを使っています。

また、寄ってくださいませ〜。

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