我が家も今年の暮れで満10年歳を迎える。それを待っていたかのように設備機器がいかれはじめた。まるでメーカーが仕込んだ時限装置が起動しはじめたかのようだ。忘備録としてこれまでのメンテナンス記録を記しておく。
・築後すぐに、エレクトロラックスのドラム式洗濯機の異常。洗濯をはじめると洗濯機が踊り出すのだ。私が卸価格で仕入れて工務店に設置してもらった。設置方法が悪かったのか担当サービスマンに来てもらい直る。料金15000円なり。
・新築直後から、照明の球切れが同じところばかり発生。10年一度も切れたことのないところもあれば半年に一回程度定期的に切れるところあり。建物の固有振動がタングステンにいたずらしているのか。不思議。
・築後3年。またもやエレクトロラックスのドラム式洗濯機が異常。ポケットに入っていたカードがドラムと本体の隙間に入り込み挙動不審になったらしい。またもや点検料金15000円なり。
・築5年ほど経過。カメラ付きインターホンが誤作動をはじめる。2世帯それぞれにインターホンがついているが、親世帯の呼び鈴を押すとこちら側の機器も反応したり。だましだまし使っていたが、いたたまれずアイホンのサービスを呼ぶ。到着するや即『基盤不良ですね』。良くあるらしい。宅内であまり使わない部分の基盤を取り出し不良の基盤と交換。なおる。基盤を取り寄せると高くつくそうなのでこれで妥協。サービスマン出張費10000円弱。
・築5年ほど経過。ミーレの食洗機働かなくなる。サービスマンが来て食洗機をひっぱりだす。裏側のあるところにゴキブリが入り込んで悪さをしたらしい。良くあることらしい。その部分は温かいのでゴキブリが寄りつくらしい。サービスマン出張費10000円弱。
・築6年ほど経過。TOTOのウォシュレット不良。脱臭効果が無くなる。カートリッジ式のフィルターが内蔵されているらしく、交換必要とのこと。新しいウォシュレットに交換してしまうか、フィルターのみ交換するか悩む。結局、フィルター交換。25000円なり。
・築6年ほど経過。暑い夏。ノーリツのガス給湯器が動かなくなる。シャワーも使えないので即サービスマンにSOS。本体周りをちゃかちゃかいじって再始動。ガス管にこびりついた油分が暑さの関係で給湯器まで到達して悪さしたという。点検費用7000円。
・10年目のつい最近。ガス給湯器のお風呂場リモコンの液晶が消える。まったく機能しなくなる。幸い、メインリモコンは動いているのでお風呂にお湯ははれる。が、湯量や温度の操作は不能。ノーリツに電話し、リモコンだけを売ってほしいと伝える。あっけなく『それはできません。サービスマンが行く必要があります。出張費2100円です』と素っ気ない。仕方なくサービスマンを呼ぶ。その人にリモコンだけは売ってくれないんですねえと言うと、「電話に出た人女性?男性だったら融通きくこともあるんですけどね〜。うちにもリモコンだけ売ってくださいという人来ますよ。自分でやるからと言って。うりますよ。リモコンだけ」そんなもんか〜。リモコン交換で正常作動。交換時間10分。交換費用24000円なり。
・さらに、いよいよウォシュレットの脱臭機能が働かなくなる。効果が低いのではなく、動かない。脱臭機能のランプが点灯しないのだ。おそらく基盤の動作が不良なのだろう。思い切って、ウォシュレットごと交換してしまうか、メンテナンスして使うか悩ましい。
他にもまだまだある。薪ストーブの側壁が割れた!とか、シャワーの切り替えレバーがこわれた!とか、台風で笠木が飛んだ!とか。すまいは建てた後、愛でて愛でて、自分仕様に仕立ててゆくのも楽しい(と思わないとやっていけない)。車のように古くなったからと買い換えるワケにもいかない。メンテしてメンテして愛しんでローンが終わる頃にはすっかり自分仕様にしたいもの。設備はいつか壊れるが、躯体はいつまでも健康そのものでいてほしい。愛を持って接すること。これはすまいも人間も同じだと思う。
●2007.02.04(日)
この日記調のコンパクト記録は、日々の頭のトレーニングとしてやっている。とにかく記憶を鍛えないとすぐにだめになってしまいそうだから。しかし。である。この日の出来事を思い出すことができない。やばい。海まで犬や子供と散歩に行ったことまでは別のブログに書いてあるからわかる。が。それ以外はなにをどうしたものやら。も一度鍛え直さなくては。
●2007.02.05(月)
朝一。病院へさるこをつれてゆく。午後、千葉までお通夜に出かける。つい、一週間ほどまえに「これから親の介護にウィークエンドを全て費やす!」と言っていた先輩のお父様が亡くなった。息子孝行なのか。おかあさんが20年以上脳梗塞で倒れたお父様を見てきたらしく、お母様が一番ほっとしているかもしれない。夜更けにもどる。
●2007.02.06(火)
岡山から義理の父母が来葉。逗子のスタバでユーコンブレンドを仕入れ、ついでにCHAYAでケーキも。夜、3家族で食事中、義理父がばったり倒れる。5分くらい意識を失い皆騒然とするが、「歌舞伎を見るまでは死ねない」と名言を吐き復活。毎日、いろいろなことがやってきては過ぎてゆく。
●2007.02.07(水)
仕事が気になり3:30起床。もんもんと葉山のつぼ八プランと格闘。建坪率8坪からすでに10坪くらいまでずるずると大きくなってきているが、やはり空間的な工夫とやりくりで何とかすばらしいすまいに仕立てたい。いろいろなプランが沸き上がってきては消えてゆく。限られた空間を無限に広がる空間にしたてたい。全てが見えないことで拡がる空間のアイディアを詰めてゆく。午後、父母s(4名)を無事に東京へ送り出す。私の父母も歌舞伎ははじめて。歌舞伎座は新宿のどの辺にあるんですか?と私の父が電話で歌舞伎座にきいたらしい。やれやれ。
●2007.02.08(木)
あっというまの二泊三日。義理父母が昼に帰る。帰り際、岡山に眠っていたおひな様を飾る。本来は7段飾りの立派なものらしいが、我が家は飾るところがないので、最上段のみ3階ちゃぶ台の間に飾る。お正月が終わり、節分が過ぎ、桃の節句。日々過ぎるのはとても早い。しかし、季節感たっぷりの伝統行事のシークエンスはなかなか味わい深い。しかし、厳冬期から桃の節句へ移る季節感が薄れている。とにかく暖かい。本当に「ボルトを落としながら飛び続ける地球号」の最終期かもしれない。マジで地球にローインパクトなやりかたをしてゆかないと大変なことになりそうだ。
●2007.02.09(金)
つぼ八プランの締め切りまであと一日。前日まで頭の中とマックの前で煮詰めてきたプランをさておく。もう少し視点を変えてみようとあがく。ここ、2週間ほど建坪率10坪弱で馬蹄形を攻めてきた。しかし、それを矩形にするスタディをやっておく方がよいだろうと感じていた。地面に建っても海が見える。2階レベルでは富士山江ノ島も見える。しかし、3区画ほどの分譲地にすべて住まいが建ちあがるとどうなるかはわからない。想定はできるがそれに期待しても良くない。勝負は3階からの眺望と3階ロフトの扱い。海一望期待薄の1階2階は内部空間の充実をねらう。いよいよ佳境。
●2007.02.10(土)
葉山の町はどんどん変わってゆく。道路が拡張され、屋敷林がマンション老人ホーム小規模分譲地に変わってゆく。その過程で小さなケーキ屋さんや飲食もふえてゆく。激震のふるいにかけられる中、良いものだけが残ってゆくと良いのだが。小さな町だけにそこに住む民度によるのだろう。前から気になっていた新しいお菓子屋さんでケーキを仕入れる。「旬の食材をお菓子にします」なかなか。午後、馬蹄形のプランに話が終始する中、ケーキでお色直し。毎回、視点を変えたプランで建て主の真意を問う。揺さぶることで真意が見えてくる。限られた時間の中でスタディはしつくしてゆきたい。この時期が建て主と設計者にとって蜜月期間というかんじ。
●2007.02.11(日)
山小屋プランの再構成。頭の中は寝ている以外、様々なスタディを繰り返している。オーバーヒートしないように海を見たり、真空管をいじったりしているが、頭は回転している。マックに向かうとするするでてくる。気になっていたプログラムがきれいに整った。しかし、形にしたところで放っておくとさらに熟成する。不思議だ。思い通りにプログラムができたので、早々に芋焼酎と遊ぶ。
●2007.02.12(月)
朝一。寝かしておいた山小屋プランを眺める。芋にやられ気味の頭よりも手が勝手に反応する。もう少し。もう少し。とぎりぎりまで手が反応する。お昼前に葉山を出て海岸沿いを走る。3連休の最終日とあって人も車も多い。白いマスクをしている人も目立つ。昼飯は江ノ島前の吉野屋。豚丼を注文しおえるととなりに座った客が「牛丼!」と注文。あるのか!...と思うが、食指がのびない。報道されるほど牛丼には興味が無く、私は吉野屋の豚丼で、ファストフードは満足。打ち合わせを終え、湘南の海をのんびりと帰る。どこを走っても大渋滞が待っている。あせらずさわがずが精神的によい。案の定。平日は1時間のところ、2時間近くかかる。が。海沿いを観念してのんびり走るのはそれはそれで楽しい。海に沈む夕日がとてもきれいだった。
奥茂君に薦められて時々読んでいます。
嬉しくなる内容に感心しています。
コメントありがとうございます。
最近ご無沙汰してしまって失礼しっぱなしです。
この道に入ったのも、初見先生の影響大です。
私に卒論指導していただいたときは、まだ30代前半だったですよね。
格好良かったですよ。当時。
あんな風に建築について語りたいと思っていたものです。
また、葉山にもあそびに来てください。