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当社の決算は12月。新年1月1日から会計上も新年度になる。昨年末で15期を終えた。独立した当初は、5年持てばなんとかやりくりできるという大先輩の工務店社長の言葉を信じて走り出した。思えば遠くへ来たものだというのが正直なところ。今日、会社の会計を任せている税理士事務所の担当者Tさんが年に一度の締めにやってきた。

彼とも15年のつきあいになる。5〜6年ほど前から、彼も釣りにはまったらしく年に一度、葉山に来るたびに釣りの話に花が咲くようになる。今年は、私が昨年秋からルアーにはまり、エサ釣りから疑似餌釣りに転向したことを肴に花を咲かせた。「なんだか残念だな〜。遠くに行っちゃったみたいだ〜」と。へえ。そんな風に感じるんだ〜というのが正直なところ。確かにエサ釣り師の「コンだけいっぱい釣ったぞ〜的な釣りはやっぱりまずいよね。釣り人も増えているんだから食べる分だけキープして、それ以外はありがとうと言ってリリースするのが末永く魚と遊ぶためには大事だよ」という私の言葉が効いたのかもしれない。

それにしても世の中は本当にダウンしているとTさん。担当しているある不動産会社も400億近くを抱えて一気に倒産してしまったらしい。リーマン事件前から何とかしなくてはいけないと言っていたところリーマン事件。一気に行ってしまったという。しかし、そんな中でも、成長している企業もありますよと。それは太陽光発電の測定器会社。エコロジーと高齢者福祉はビジネスにならないといわれていた時代はシフトして、成長産業になりつつある。今日も、ある住宅メーカーが本格的に屋上緑化を進めることにしたと新聞にあったよと。いまさらだねと私。そだねとTさん。思えば、私が屋上緑化に興味を示したサラリーマン時代は今から20年前。自邸に土を乗せて屋上緑化を実行したのが12年前。その当時はまだエコロジーを「文化にするのがヨーロッパ。商売にするのがアメリカ」と揶揄されていた時代。そう皮肉られたアメリカでもエコ商売で大成功とはなかなか聞こえてこない。ハイブリッドカーのプリウスがハリウッドスターのステータスとなった数年前を見る限り、エコで商売的に成功したのは技術大国ニッポンだったのではないか。16年度目、会社名も生活空間研究所から佐山建築研究所に変更した奥義もそこにある。屋根に土を乗っけて家を建てることによる緑被面積減少を食い止めよう!とか。近くの山から家を建てる木を持ってきて家をつくってしまおう!とか。そんなことを言ったりやったりしているのは、生活空間さんではなく、佐山さん本人なのだ。だから会社名もシンプルに佐山でいこうと決めたのだ。

15年目の決算を終え、16年目を迎え、会社名もシンプルにした今、もっともっとアグレッシブに前を向いていこうと思う。暗い報道が飛び交う世の中、ぐいぐい前に向かって大股で歩いていく奴がいても良いではないか。15年。いろんな方向を見ながら回り道してきたように思う。ここで心機一転もう一度、佐山自信がどういう空間を求め、世の中はどういう新しい空間を求めているかを見つめていきたいと思う。昨日見た釣りビジョン。トラウト・ニュージーランドロケ。そこに映ったロッジはまるでアメリカ。しかし、微妙に繊細な部分があった。それがニュージーランド的なんだろうか。佐山はやっぱり、ウッディ&ネイチャーが基本根底にあると思う。モクモクしいと言われてひるむのではなく、モクモクしく微妙に佐山らしいエコロジカルなやり方でもう一度やってみたいと思う。会計事務所のTさん。来年の今頃はもっと厳しい世の中になっているでしょうねと言って帰って行った。ますます、佐山らしさで闊歩して行かなくては自分自身を見失ってしまうぞという警笛に聞こえたのだ。

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