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棟が上がった日は、2009.06.16。このすまいの正式な誕生日。建て主の都合で、本日2009.07.20に上棟のお祝いが行われた。上棟式は地方によって様々。おおむね略式化されていて、神奈川ではほとんど祭壇は設けない。今回の現場、栃木でも餅捲きこそはしなくなったらしいが、祭壇を設けて祝詞をあげるのが通例とのこと。しかし、その祝詞も工務店社長による。地鎮祭の神主も心得ていて、地鎮祭の時に棟上げ用のお札を建て主に渡していた。それを祭壇に奉ってあった。思えば以前、山梨の現場の時も、祭壇を設け工務店社長が海のもの山のものを捧げた祭壇に向かって祝詞をあげ、参加者全員で「二礼二拍手一礼」をやった。神奈川ではほとんどそれさえもしない。建物の四隅にお米、塩、御神酒を撒き清めて終わる。

祭壇を設け、御神酒と捧げものを前に祝詞をあげる。その後、参加者全員がひとりずつ「二礼二拍手一礼」をやる。ただそれだけで、何か地鎮祭の時とは違う改めて気を引き締めていこうという気持ちになった。その後の一席は最近の車社会ご時世でアルコールは誰も口にできない。しかし、祝詞をあげたあと、静かに振る舞いをいただき、静粛な気持ちになった。アルコール抜きのお祝い事、最低限、祭壇、祝詞、二礼二拍手一礼は必要だと感じた。

私の事務所の節目でもある50棟目の上棟。温暖化を見据えたオリフィスプランの第一弾。そういう意味でも身が引き締まった。今日は適度に風が舞い、それに呼応して目の前にある借景のさくらの葉音が心地よい。アルコールが入らない静かな上棟式にさわやかな演出をしてくれた。1時間半ほどの静かな上棟式。狙いどうりに建物内に引き込まれてくる心地よい風と葉音に包まれて、とても優しい時間を過ごすことができた。北に広がる公園に向かって思いっきり開いたプランは心地よい毎日を過ごせそうな空間となっていた。建築を創る喜びに浸りながらハンドルを握り葉山へ。満たされた一日が終わった。

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