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いよいよ外気温が15℃を超えない日が来たので、ケツに火がつき薪ストーブのメンテナンス。煙突のススを取り、薪ストーブの庫内に残っている不要なモノを取り除く。この2点をしっかりやる。ついでに薪ストーブがある1階玄関&打ち合わせコーナーのひょうたん&真空管BGMも点火。iTunesのラジオチャンネルを見るとHolidaysが始まっていた。いよいよクリスマスだ。クリスマスまみれのBGMの中、せっせとメンテナンス。

薪ストーブ導入初期の方にポイントがわかるように記録するので、心当たりのある方はこんな記事があったと頭の片隅にメモしておくと良い。いつか効いてくるときが来ると思う。

まず、今回メンテナンスする私の薪ストーブは、「ダッチウエスト社カナディアンAプラス」という今は生産中止になった使用後12年モノ。キャタリティックコンバスターという触媒を使って2次燃焼させるシンプルなストーブ。

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▲これは今年の春ストーブシーズンが終わったままの状態。さあ、メンテナンス開始。

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▲我が家の煙突は、シングル煙突のまま1階で横抜きに外部に出している。そのまま3階屋上まで約10Mストレートに伸びているのでススがかなりたまる。煙道火災やメンテナンスの難易度が高まるので最近はほとんど二重煙突で設計している。イニシャルコストはかかるが、火災のリスクとメンテナンスの難易度はかなり低くなる。

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▲まずは内部の煙突掃除。そうっと本体と煙突を外し、外に出す。

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▲ひとシーズン焚き終えるとシングル煙突の内部はこのようにススがたまっている。二重煙突を使っている場合でも、数Mだけシングルの部分がある。そこはこのようになっていると思って間違いない。棒のようなモノで、ガシガシかき落とせばOK。

□参考記事〜【薪ストーブ出動】

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▲これは外部のシングル煙突をたたいて落としたスス。10Mもあるので、まだたくさん残ってはいるだろうが、できるだけたたき落とす。

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▲これは内部2M程度の煙突内部のスス。結構ある。ひとシーズン分。ここまでが煙突編。

それと、煙突トップの掃除もお忘れ無く。幸い我が家は夏の間鳥の巣をつくられることもなく、鳥除けのネットにススがこびりつくこともないので毎年トップは掃除しなくても何とか大丈夫。二重煙突を使っている場合は特にトップにススがたまる場合が多いので必ずチェックすることをお薦めする。

□参考記事〜【二重煙突の落とし穴】

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▲次にストーブ庫内の掃除。2次燃焼するタイプの薪ストーブはほとんど煙突のススは薪を焚く1次燃焼室に落ちてこない。2次燃焼室に落ちてくるモノが多い。機種によって違いはあるが、ストーブ本体のトップをはずし掃除することが必要。我が家のストーブはキャタリティックコンバスター(触媒)の点検口がトップについているので今まではそこからススを掃除機で吸い取っていた。今年は使い始めて10年以上になるのではじめて本体トップをはずして掃除。点検口からは取り切れない10年のアカがたまっていた。

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▲本体とトップの隙間を埋めていた耐火パテがこびりついていたので丁寧に除去。

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▲きれいになったところで耐火パテを継ぎ手部分につける。耐火パテはある程度大きいホームセンターで手に入れるか、ネットショップで購入する。今回は、横須賀久里浜のケーヨーD2で仕入れる。ちなみに横須賀のホームズ、AVEに耐火パテはなかった。


薪ストーブシーズンが終わり、炊き始めるまでにこれら一連のメンテナンスは必ずやっておくこと。私の場合は無精なので「さあ。焚くぞ!」の直前にしかやらないが、前もってやっておく方が良い。不意の必要部品や材料があった場合それらがそろうまで焚くのがおあずけになるから。ちなみに今日はかる〜く掃除をして焚こうかと掃除をはじめたところ、耐火パテが必要なことがわかり、それを探すので一日かかってしまった。やっと終えて火を入れた時にはもうすっかり日が暮れていた。


●2008年11月7日(金)

先週。『煙突の継ぎ目から煙が出てくるんです』と昨年SOSが来た方から電話。「薪ストーブメンテナンス業者の連絡先をおしえてください〜」と。聞くと火を入れたところ煙が抜けていかないという。昨年メンテした煙突のトップは自分たちでもやってみたという。ぴんときたので「業者でなくても自分たちでメンテナンスできるように設計しているのでもう少しこつを教えましょう」ということで午後伺った。昨シーズンはじめ。ある煙突掃除業者がきてひととおり掃除していったという。煙突掃除はしたものの、煙道を落ちていくススがどこに行ったかわからないまま。その業者「このストーブの専門業者に一度見てもらってみた方が良いですよ」と言って煙突掃除代金を受け取っていったという。なんてこった。早速、薪ストーブの本体から煙突をはずすとススがぎっしり。

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その業者。煙突掃除はしたけれど、煙突トップと薪ストーブ本体のススは取っていかなかったのだ。そんなど素人の掃除業者もいるということ。まずは自分でできるようになる方がよい。薪ストーブを使いたいという方であれば、自分でやる苦労は買って出るかただろう。そうでなければ導入したいと思わないはずだ。という想いから最近の、そしてこれからのすまいで薪ストーブを導入する場合、煙突掃除くらいはすべて家人でできるようにプランニングしている。これは同じ薪ストーブ使いとしての心遣いなのだ。


●2008年11月8日(土)

午後一。薪ストーブの点火方法伝授のため予定通り今春竣工のすまい2件へむかう。私の薪ストーブライフセット一式軽トラに積み込み海岸線を走る。葉山もいよいよ寒くなってきた。道中ラジオで北海道が吹雪で大荒れという。懐かしい。しかし、11/末までは序の口だ。根雪になってシンシンと寒くなるのはクリスマス前。それまでが暗くて寂しい私の大好きな季節。ワクワクしたのを今でも鮮明に覚えている。1件目。Sさん宅。前回キクイムシ発生の時に一通り伝授していたのでグッヅはほぼひととおりそろっていた。設置した薪ストーブの特徴と仕組みをしっかり伝える。まずは1次燃焼室で発生した煙をさらに2次燃焼室で再燃焼させるという理屈とそのタイミングを伝える。そして、定石の焚き付け井桁組+新聞紙+(あれば段ボール)+乾燥した薪をセットし、火を付ける。購入した薪が良い乾燥薪だったらしく想定通りに燃えはじめ伝授終了。しかし、4歳の息子さん二人がストーブの周りで大はしゃぎ。このご家族の心配は。。うまく薪ストーブを使いこなせるかと言うよりも子供さん達がきちんと火は危ないモノ、熱いモノということを学習できるかどうかだ。それだけは親に任せるしかない。

2件目。SJ邸。午後一のSさんもSJさんも今回は乾燥薪をネットで購入。それはそれでよいと思う。私は薪を買うことは絶対したくない主義なので買わないが、価値観は人それぞれ。それはそれでよい。そのことをとやかくいうつもりはない。(蛇足ながら薪ストーブはとっても良いよ勧めるつもりもない)しかし、薪ストーブを使ってみたいという方には懇切丁寧にその極意を伝授する。それはそれでとっても意義ある生活道具だから。なので設計行為とは全く別次元で薪ストーブ使用法伝授、あるいはメンテナンス方伝授は労を惜しまない。すばらしい生活道具を自分で使いこなすことはかなりすばらしいことだから。SJさんにひととおり理屈と仕組みを説明し点火。しかし、想定通りに火が燃えさからない。しばらく様子を見ると薪の小口から「シューシュー」と樹液が音を出している。生木だったようだ。乾燥薪としてネット販売していても時にはこういうこともあるらしい。専門業者、ましてやお金を取って薪を売っているのであれば最低1年半は乾燥させて欲しい。たき付けを追加していくうちに生木にも火がついて本来の燃え方になってきた。ちなみに300kgの広葉樹混合薪で2万円弱。軽トラ7分目の薪。即戦力になってくれないともったいないかな。薪ストーブが順調に働き出し、玄関土間の壁面巨大スクリーンにプロ野球日本シリーズ第6戦が映りだしたので安心し葉山へ。

薪ストーブを使うことが何故「エコなの?」というSJさんの問いに「再生可能なエネルギー源を使うからですよ」と答えると「なるほど〜。薪ストーブ関係の本を読んでも、なにがエコか釈然としなかったですけど。木は燃やしても再生可能ですよね〜」「そうです。化石エネルギーを使っているわけではないし、街路樹などの伐採木を焼却処分するよりも未利用資源として熱エネルギーに変えて使うことが意味あることだと思うんです」そんな会話を反芻しながら軽トラのハンドルを握っていた。





▼ コメント(2)

薪ストーブには憧れがあるけど、あらためてメンテの様子を見ると結構大変だー! でもこの作業を終えて火を入れた時の暖かさは、また格別なんだろうなぁ。

で、毎年この作業を寒くなるまでやらないわけ?(爆

夏の暑い時期にはやる気になれないんで、直前にやるんです。
でも、半日程度のことだからなんてことないですよ。
大変なのは、丸太を集めてきて、玉伐りして、乾燥させることかな。
それでも、1年分だと軽トラ5〜6回で済むからたいしたこと無いと言えばたいしたことない。

一番うれしいのは、コストを考えず、一晩中火を焚いておいて朝一番が寒くないというのが薪ストーブの真骨頂ですかね。

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