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一昨日夜、久しぶりに「緑化格子のある家」のご主人と呑む。7〜8年ぶり。設計当時、打ち合わせが一区切り付くと、葉山の町で遅くまで呑みいろんなことを語った。ある夜、いつものように呑んでいると携帯がなった。「アメリカで大変なことが起きているよ」と家人から。さっさと切り上げ、家に帰りニュースに釘付けになった。911の事件が起こっていた。もう、あれから丸8年。その時のことが昨日のようだと話ながらのんだ。それもそのはず、彼は私のデザイン(怨念...)の中で毎日を過ごしており、いつも私を感じているという。うれしいやら、大変なことやら。楽しく夜が更ける。

先日、ある出版社から「リビングをテーマにした記事を特集したい。ついては佐山さんのところで協力いただける物件はありますか」という問い合わせがあった。ピンとくる建て主に取材の依頼をお願いした。ちょうど3年前にお引き渡しをしていた「離れのある家」の奥様からせっかくのお話しなので協力いたしますよ。と返事が来た。今日その取材があったのでお邪魔させていただいた。カメラマンは撮りどころがたくさんあって久しぶりにすばらしいすまいに巡り会えたと言う。彼が撮影している間、編集者のライターから、建て主ご夫妻と設計者の我々にヒアリングが行われた。何故、家を建てたのか。何故、佐山に設計を依頼したのか。実際に住んでみてどうか。いろんな角度から根掘り葉掘り。取材を受けていて、3年経過しているすまいならではの意見がお聞きできてとても有意義だった。完成直後や完成前では聞けない体験談が聞けた。それはおおむね良好、すばらしいです。というお褒めの言葉に終始したものの、家がすっかり家らしくなってきていたのである。変な話ではあるが、すまいも家人によって成長をはじめているなという感じがした。とても良い時間を過ごすことができた。

昨日、所用で2年半前に引き渡したお客様のところに立ち寄った。今年は3年目の夏でした。やっと過ごし方がわかってきてエアコン無しでやりくりできましたよ〜。というお話が聞けた。昨年春に夏の暑さをやりくりするためにどこにエアコンを付けたら良いかという相談を受けていた。結局付けなかったのですかと聞くと付けなかったという。無理なさらないように...と内心思うが、 正直なところうれしい。設計最中は、どうしてもコミュニケーションというよりは、プレゼンテーションになりがちで、建て主も半信半疑、佐山は本当のことを言っているのだろうかと思っているかもしれない。しかし、引き渡して2〜3年もすると私の言っていたことがなんとなく体感できはじめており、良い感じでコミュニケーションできるらしい。最近、お引き渡ししたお客様からいろんなことを教えてもらっている。とてもありがたい財産である。


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