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宇都宮市で計画していた「オリフィス宇都宮」が完成した。地球温暖化へ向けて建築計画でやれることの模索。夏をもって旨とすべし。の具体案。ちょっとした微風も受け止めるオリフィスプランだ。現場監理中もその効果は感じられていた。あらためて昨日。ほぼ完成した空間に半日いるとかなりの効果が体感できた。

微風。それでも室内の空気が動いている。東西南北どこから微風が来ても絡め取ってしまう。うまくいっている。このすまいは北側に大きく開けた公園を持っている。その公園に両腕を伸ばすようにして壁を配置している。北からの涼しい風を受け止めると同時に音もひろう。メガホンのように大きく口を開いた開口部からさくらの葉音も舞い込んでくる。五感で風を感じる空間に仕上がった。

風を絡め取るために斜めに計画した壁面と大きく斜めの勾配天井はもう一つの効果を狙っていた。それもきっちり狙ったとおりにおさまった。1階の吹き抜けに手を挙げて「ぱ〜ん!」と手を打つ。普通の四角い空間であれば、「び〜〜ん!」と鳴き竜が現れる。家具が入っていない空間ではなおさら。加えて定在波と残響音で普通の声での話し声も聞き取りにくいこともある。それがまったくなかった。鳴き竜も現れず、普通の声で気持ちよく普通に会話が成立する。これはオーディオルームや音楽室としてとても大切なこと。かなりうまくいっている。建て主がピアノを入れ、オーディオでジャズが流れる頃、ぜひともその確認で再訪したいと思っている。


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