▼ -2.自然と向き合う の記事一覧
毎日、海を横目に仕事をしていると天気の移り変わりを察知できるようになる。今朝は朝から良い天気。久しぶりにふとんを干す。正午になる頃、海が煙ってきた。なんとなく湿度を感じはじめる。13:30、そろそろ来るかなとふとんを取り込む。14:00、雨。我ながらあっぱれ。自分で自分の嗅覚に感心した。今年は梅雨明けが8月にずれ込みそうだと天気予報。とはいいながら予報ではすでに雨は降らないらしい。今日の降水確率も0%と誇らしげ。しかし、今雨が降っている。最近の予報は本当に当たらない。
梅雨の時期、無塗装の無垢材で支配された我が家は湿気知らず。珪藻土、布クロスと湿度をコントロールできる空間素材はあるものの、経験では無垢材に軍配が上がる。一本の柱で一升瓶程度の水分を蓄えることができると言われている。梅雨時期は空間内部の水分を蓄え、冬の乾燥時期に吐き出して空気をうるおわす。自然の力はありがたい。柱一本で一升瓶。一軒のすまい全体では膨大の量だ。まして、仕上げ材は無垢材をサンドした針葉樹合板。すまい全体が湿度をコントロールしている。機能的には節があろうとなかろうと関係ない。内装材は好きずきあるが、吸湿吐湿機能は無垢材がいちばんだ。
日本古来から、土、紙、木で造られてきた日本のすまいは、湿度コントロールに優れた箱だったのだ。あらためて思い知らされる。天気の行方を予測しながら、生活をコントロール。湿度の高い日本の初夏を古来の材料でコントロール。まだまだ、自然の力に頼って生きてゆくことができると確信。五感を退化させてしまうような現代生活をもっと見直さなければなるまい。楽しみながら。
2006.02.05 23:59 現在。外気温マイナス2℃。晴れ。我が家の3階室内気温16℃。室内湿度43%。3階の木製サッシの下の方、ペアガラスがうっすら結露している。だらだらガラス面が結露しているわけではないので問題ない。
ペアガラスは、3-12-3。ガラス厚3mm、空気層12mm、ガラス厚3mmという意味。ガラスの周囲は木製なのでその部分に結露はない。しかし、内外気温差18℃かつ湿度が40%以上あるとペアガラスでもガラス面で結露するようだ。アルミサッシで断熱サッシでなければ、ガラス周囲の枠や窓枠に接しているアルミ枠は結露しているだろう。冬場の室内湿度の調整はむずかしい。薪ストーブや電気ストーブなどを使っている場合は乾燥しやすい。反面、灯油ストーブや加湿器を使っていると湿度が上がりやすい。灯油ストーブはタンクに入っている灯油が気化して室内に蒸気として漂っていると思えば理解しやすいだろう。加湿器はそのままタンクの水を空気中に出している。
室内空気の乾燥しすぎは、人間にとってのどがいがらっぽくなるほどでなければ建物にとっては都合がよい。木造であればなおさらだ。いずれ来る梅雨に備えて構造材が乾燥する。梅雨の時期は否が応でも構造材が湿気を帯びる。言い方を換えれば、冬は木部に蓄積している水分を放出し、梅雨時は水分を蓄える。これは室内湿度を家の構造材が調整しているといえるのだ。冬は室内をうるおわせ、梅雨時は湿気を少なくする。今の時期、ペアガラスそのものが結露(あるいはうっすら曇る)のは湿気がありすぎ。生活蒸気を極力少なくする、あるいは外に放出する工夫が必要だろう。お湯を沸かすときはできるだけキッチンの換気扇をまわす。お風呂に入った後は換気扇をまわす。この塩梅が絶妙だとアルミサッシの結露はおきにくい。
『外気温マイナス2℃。我が家の3階室内気温16℃。室内湿度43%。3階の木製サッシの下の方、ペアガラスがうっすら結露している』。この状況は湿度が高いのである。室内湿度は40%切るくらいが良いのかもしれない。薪ストーブの寸胴を降ろしてみよう。もちろん、室内温度を下げるだけで結露は納まるだろうが、室内温度は最低16℃はキープしたい。室内温度14℃以下になるとやはりうすら寒くなるので私はさけたいところ。この外気温、室内温度、室内湿度の関係は結構面白いですよ。でも、人間の感覚を頼りにやるのが一番です。退化していっていますからね人間の本能。
そういえば、昨年完成したKさんから、「新しい家では家に入ったとたんメガネが曇るようなこともなく薪ストーブも順調で…」とメールがあった。前の家ではよほど、室内温度と室内湿度が高かったのだろう。たしかに北海道ではよく体験した様な気がする。建物に入ったとたんメガネが曇ってしまう。冬に湿度が高い北海道ならではの話だ。
我が家3階テラスに緑のカーテン作戦を遅まきながら決行。
ホームセンターで材料を仕入れる。
●朝顔行灯仕立て(4株入り)〜400円×2=800円
●ツルモノネット(L)〜598円
計1398円
他に必要なものは、家の物置から物色。
腐葉土、赤玉土、プランター、結束ヒモ(ビニタイ)、支柱。
梅雨の合間に、夏の日差しがさすようになってきました。
今年の夏もかなり暑そうですね。
酷暑や、大型台風など、地球温暖化による異常気象が問題になっていますが、これからは異常ではなく毎年起こりうる自然事象として覚悟しなければならないでしょう。
暑い町中を歩いていても、街路樹や大きな庭木の影に入ったとき、他の場所とは違うひんやりとした空気を感じたことがあると思います。
これは、木陰が直射日光を遮ってくれることもありますが、木の幹、枝、葉に含まれている水分が蒸発する蒸散作用によるものです。この水が水蒸気になって蒸発するときに周りの熱を奪って冷やしてくれるのです。打ち水や、夕立ちと同じ効能です。
この、植物による蒸散作用を建築にとりいれる方法があります。
植樹、壁面緑化、屋上緑化などの方法ですが、もっと手軽に取り入れる方法が、窓のそばに植物を植えることです。
この方法はいま、「緑のカーテン」という名前がついているそうです。
恒常的に設置するならば、冬に落葉するツル植物を使えばいいと思います。ただ、夏の間だけ短期間に生い茂らせるなら一年草のほうが簡単ですね。
ツタなどは、壁に根がついて、汚れるので難しいかもしれません。
私信 TOLA様へ
そんなわけで、天窓に緑のスクリーンをつくってみるのはどうでしょう
日遮ネットの上に農業用のネットを張って、アサガオなどしげらせれば、蒸散効果が期待できるし、下から見上げるとおもしろいんじゃないかなあと思います。
おまけ 先日苗屋さんでみかけたのですが、「甲子園のツタ」というのが売られていました。
あの、球場を覆っているツタです。
生命力が強そうですね〜
参考
2005.06.29 01:00
あっ!雨がぽつりぽつりときました。
深夜にMacの前にいて、雨を感じることができるのは幸せなことだと思います。
私がすまいを設計するときに大切にしている視点は自然とのつきあい方だ。
太陽、風、雨、猛威を振るうこともあるが、恩恵を受けることも多い。郊外の場合、それほど自然に飢えることもないが、都市部の密集地では、些細な自然も貴重になるものだ。一般的な建築行為は、自然界と縁を切り、人工的な制御装置によって適材適所な場所をつくることであるといえるだろう。自然界と縁を切ることが基本でありながら、自然とつきあいたいというのは、身勝手でわがままな視点である。そんな視点を芯に据えながら、いきものである人間のすみかを模索している。
クマコラム
19990929
海の見える家。
クマの自邸の「葉山。木・風・犬猫の家」は海のそば、山のヨコにある。
18の時に北海道から上京して以来20年あまり、数カ所首都圏で暮らしてきた。
23区内に住んだのは2年ほど一度だけである。それほど、都内がショウにあっていなかった。
学生の時でも、渋谷や六本木に行くと何でこんなに人がいるんだとそこにいるだけでもぐったりと疲れてしまう有様だった。
当時サーファーだったぼんくら大学生のクマは、海にぷかりぷかり浮かんで波を待つのが至福の時だったように覚えている。
やはり自然のそばで暮らしたい。
そんな理由で葉山を選んだ。設計事務所として独立するにあたり、窓を開けて、隣のビルの壁が見えるよりも毎日海や山が見えるところを選んだ。
ある大先輩は、田舎は生活するところで、東京は利用するところと祝福してくれた。そんな葉山暮らしもはや7年を過ぎようとしている。
今まで一番長く住んだところになる。自分の中では終の棲家にしようと思っている。
近所で中層マンションの工事が始まった。
静かで落ち着いた中での仕事はしばらくおあずけなのか。
今朝から土工事のトラックが往来するのが聞こえてくる。
海はいつものように表情を伝えてくれるが、静けさはない。
マンションができても海の見え方は変わらないが、しばらくは喧噪とのつきあいが続くと思うとぐったりする。
大工さんのトンカンとんかんは気にならないのにマンションの工事音が気になるのは不思議だ。
低層のしっとりとした民家と雑木林が、マンションにとってかわることへの抵抗なのか。
なぜかぐったりしてしまうのだ。
クマコラム
19990830
8月ももう残り2日。今年は暑い夏だった。
エアコンなしの生活も2年経過した。
葉山は海のそば、山のヨコなので一日中風が吹いている。
昼間は海からのうみかぜ。
夜は山からのやまかぜ。
向きが変わる一瞬、動きが止まるが、一日中空気は動いている。
統計によると8月の東京の場合、朝6時は北よりの風がもっとも多く20%強、午後2時は南よりの風がもっとも多く28%強。
冬は一日中北北西の風が吹いているのに対して夏は時刻で変わる。
夏場、この風を日々の生活に取り入れない手はない。
最近エアコンは使いたくありませんという建て主が増えている。
理由はいろいろ。
「体が不調になる」「省エネルギー・省電気代」。
私もできるだけエアコンは使いたくない。
「風に吹かれている方が気持ちいい」からだ。
また、本来持っている体の気候順応機能が退化してしまいそうでいやなのだ。
できるだけ機械に頼る生活はしたくない。
昨日、久しぶりに野外生活を楽しんだ。
薄雲がかかっていたので雨はどうかとうっすら見える太陽を見た。
「ワッカがかかっていないからしばらく雨は降らないよ」と私がいうと友人は「懐かしいねぇ」と感心していた。
子供の頃は天気予報は自分でするものだった。
そんな動物的感がどんどん退化していってしまうのはもったいない。
クマコラム
19990810
「○△□。木・風・∞♪☆の家」
当事務所が設計したすまいのネーミング。
クマコラム
19990727
岡山の実家にいったとき”ネゴザをどうぞ”と敷いてくれた。
夏の寝苦しい夜の知恵である。
北国育ちのクマは初めてござの上に寝てみた。
なんだか「かさかさ、ごそごそ」していて妙だった。
しかし「さらさら」していて気持ちが良かった。
畳やござの材料のいぐさは体温を吸収しやすく暑い夜の寝入りばなは都合がよいらしい。
寝始めは、体の放熱作用が働き手足からどんどん熱が放出されていく。
その時に体内の熱がうまく逃げないと寝苦しいらしい。
寝始めだけ少し涼しいと良いということなのだ。
クーラーの非自然的な快適性は体に良くないと感じている人は多い。
一定に保たれた室温は快適そうに感じるのだが体の環境順応機能が退化してしまいそうで好きになれない。
完全に機械に飼い慣らされてしまうと天変地異が起きたときに生き延びられなくなってしまいそうだ。
夏の暑い夜、クーラーに頼るよりも縁側の窓を開け、蚊帳を吊りいぐさの上にゴロッとねっころがって寝る方がよっぽど気持ちが良さそうだ。
高気密の完全機械換気の家ではそう健康的には生きられない。
まてよ、それは宇宙生活の訓練ってことなのか?
カプセルの中でしか生きられない宇宙生活訓練。
地球上で生活するのなら自然のめぐみと知恵を働かせて快適に過ごしていきたいとクマは思うのだが。
クマコラム
19990517
生活者感覚。マーケット・イン型戦略。ニーズ・ウォンツを掘り起こせ。
今年のH堂の研究所のキーワードは「野生活」。
生活者マーケット大きくは「自然」と「生活」にシフトするという判断か。
クマコラム
19990420
ぺろぺろ、ペロペロ。そんなにうまいか。オイ!
アウロのところよりも米ぬかのところのほうが特においしいらしい。
子供が間違ってなめたとしても害はないとは聞いているが、美味しいとはどこにも書いていない。
クマのいえはクマらしくすべて自然の素材でできている。
床板もフローリングではなくすぎの板をそのまま貼りつけてある。
そこに植物からの恵みでつくったワックスや米ぬか入りの布袋で床を気がついたときに磨いている。
どうやらそれがおいしいらしい。米ぬかで磨くとすぐ後をついてみんなでなめ回している。▼
鉄やコンクリートをうれしそうになめ回している犬や猫など見たことがない。
まあ、木をうまそうになめ回しているのも見たことはないが。
少なくとも木で爪をといだり、木をかじって遊んだりということはある。
木に囲まれた生活は、犬や猫にとっても美味しい生活なのかと過信してしまう。
自然に生きるって、いったいどのようなことでしょうか?
一言でいうと「ストレスのない生活を組み立てよう」ということです。
自然体で生活し、自然界とむきあい、自然素材に囲まれた空間で生活しよう、ということになりましょうか。
現在のくらしの中で、一番大切なモノは何でしょうか。
生きるために一番大切なコトは、何でしょうか。
家族であったり、仕事であったり、友人であったり、お金であったり、人それぞれだと思います。
私の一番大切なコトは、家族は勿論のこと、人間が本来持っている機能や感情を失わないことです。
当事務所に住宅の設計を依頼された方のなかに「フローリングは、木の床じゃない」とはっきりと言い切ったかたが、いらっしゃいました。
また、床材が、「すいたり、そったりするのは、絶対いやだ!」と言い切ったかたもいらっしゃいました。
すまいの心地よさを追求していきますと自然素材の活用というひとつの解決方法にいきあたります。
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